研究課題/領域番号 |
10557086
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中津川 重一 名古屋大学, 医学部, 講師 (00180315)
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研究分担者 |
松田 覚 名古屋大学, 医学部, 講師 (50242110)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1998年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 放射線感受性 / 新規ヒトゲノム / クローニング / in vitro and in vivo / 低酸素状態 / 急性的低酸素状態 / p53ステータス / PAI-1 / in vitroとin vivo / 実験治療 / 癌の放射線治療 / ヌードマウス移植ヒト癌由来腫瘍 / ヘリケース / 低酸素細胞 |
研究概要 |
本研究では見いだしたヒト悪性腫瘍におけるin vitroとin vivoの放射線感受性の乖離現象を元に、それぞれの感受性を規定する遺伝子を特定する研究を行った。新規ヒトゲノムをクローニングするために、新たなdegenerative primer法変法を編み出した。すなわち、intercept-PCRによるcDNAライブラリースクリーニングにより多数の新規遺伝子を入手することができた。これらのうち、6つの遺伝子断片に注目し、完全長cDNAの決定と機能解析を実施し細胞レベルの放射線感受性を規定する、細胞周期あるいは細胞の分化に関連した新規ヒトゲノム4つの全長クローニングに成功し、その機能解析結果とともに報告した。 細胞レベルでの放射線感受性の検討の結果、従来言われていたp53ステータスのみでは差が大きくなく、元の組織型の放射線感受性とは全く相関しないことが確認できた。更に、10種類のヒト悪性腫瘍細胞由来ヌードマウス移植腫瘍組織レベルでの放射線感受性を検討した。腫瘍組織レベルでの放射線感受性を規定する因子を検討し、酸素電極を用いた研究によって上記10種類の移植腫瘍において、酸素分圧と放射線感受性との相関を立証することができた。更に分子レベルでの検討から、血管新生因子、凝固線溶系因子の細胞レベルでの発現よりもむしろ組織レベルでの発現が重要との結論に達した。 即ち、in vitroとin vivoの放射線感受性は、細胞レベルでは細胞周期制御やDNA修復に関連したp53など複数の因子によって、組織レベルでは血管新生因子、凝固線溶系因子によって規定される酸素分圧によってというように、それぞれ全く違った機序で規定されている可能性が示唆された。
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