研究課題/領域番号 |
10557094
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
平岡 篤信 大阪歯科大学, 歯学部・内科, 助手 (00159112)
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研究分担者 |
杉本 整治 協和醗酵工業(株), 東京研究所, 主任研究員
美王 宏之 協和醗酵工業(株), 医薬総合研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | SCGF / stem cell growth factor / 造血幹細胞増殖因子 / 遺伝子組み換え / 骨髄 / CD34 / C型レクチン / ストローマ / 活性 / 受容体 / 抗体 / 造血因子 / 遺伝子組換え / 造血活性 / 骨髄CD34^+Lin^-細胞 / 抗SCGF抗体 / ラベル化SCGF / In situ hybridization / 骨・軟骨組織 / 骨髄細胞 / 赤芽球 / 顆粒球系前駆細胞 / サイトカイン / ストローマ細胞 / 染色体 |
研究概要 |
造血幹細胞増殖因子(stem cell growth factor ; SCGF)の血液学診断、治療医薬品への応用を前提として、SCGF遺伝子の同定、解析、組換え発現などを検討した。骨髄細胞、MC3T3-G2/PA6前脂肪細胞、ROS-17/2.8-5骨肉腫細胞から各々全長型ヒト、マウス、ラットSCGF遺伝子を同定した。SCGFはC型レクチンに分類され、tetranectinと最も近縁である。N末21aaのシグナルペプチドを有し、N型糖鎖はないが、シアル酸によるO型糖鎖を認める。Leucine繰り返し配列部でα-helical coiled-coil高次構造が予想される。SCGF遺伝子はNorthernで骨髄、脾、胎児肝などに、in situ hybridizationで骨、骨髄に特異的な発現を認める。増殖軟骨細胞に発現し休止あるいは肥大軟骨細胞に発現しないため、SCGFの骨形成への関与が窺われる。ヒトSCGF染色体遺伝子座は19q13.3、マウスは7B3-B5で、flt3リガンド、IL-11遺伝子座に近い。発現ベクターpAGE-SCGFで安定的に形質転換したCHO細胞を大量無血清培養し、低内毒素遺伝子組換え型ヒト(rh)SCGFを精製した。合成SCGF部分ペプチドでラットを免疫し抗SCGFモノクロナル抗体を得た。rhSCGFはヒト骨髄CD34^+Lin-細胞に対して、用量依存性にEpo存在下で赤芽球バースト増強活性を、GM-CSFあるいはG-CSF存在下で単独あるいはIL-3やflt3リガンドと相乗的に顆粒球マクロファージコロニー増強活性を示した。 SCGFは骨および骨髄細胞から選択的に産生され、造血微小環境と造血幹細胞相互作用を仲介する。今後、他細胞への活性、受容体、ノックアウトマウスおよび臨床事例などの解析を通して、SCGFは新たな幹細胞生物学パラダイムの構築に大きく寄与するものと思われる。
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