研究課題/領域番号 |
10557110
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
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研究分担者 |
岡 高茂 グンゼ株式会社, 研究開発部・京都研究所・第五研究室, 主任研究員
滝 和郎 三重大学, 医学部, 教授 (70144368)
井上 一知 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (90168435)
筏 義人 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00025909)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 生体由来物質 / プリオン / 牛心のう膜 / 乳酸-カプロラクトン共重合体 / フィブリン糊 / 骨 / リン酸トリカルシウム / 骨形成因子 / 脊椎骨固定術 / b-tricalcium phosphate / BMP-2 / ケイジ / アルギニン-グリシン-アスパラギン酸 / コラーゲン / 完全合成代替品 / ヒト乾燥硬膜 / フィブリン接着剤 / HIV / 肝炎ウイルス / ヤコブ・クロイツフェルト病 / 狂牛病 / 医用材料 / ウィルス / 乳酸 / 合成物 / 生体由来材料 / 硬膜 / 合成 / 生体適合性 |
研究概要 |
医療の現場で種々の生体由来物質が使用されてきた。しかし、これらの使用により、エイズ、肝炎やヤコブ・クロイツフェルト病の患者への移入が起こり重大な問題がおきている。WHOは生体由来材料の医用材料として使用を控えるようにとの勧告を出している。 本研究では、ヒト乾燥硬膜、肺切除に用いる自動吻口器の補助材であるブタGA固定心のう膜、フィブリン糊、ゼラチン性癒着防止膜、破砕骨片等の代替品を完全合成物で作製することを試みた。順次その成果を列挙すると、ヒト乾燥硬膜は研究費が交付された時点ですでにプロトタイプができており臨床試験に入った。GA固定心のう膜の代替品としては、乳酸-カプロラクトン共重合体のフィルムの開発を進め、犬肺を用いた長期評価実験を終了した。開発したフィルムは空気漏れ防止効果や使用感はGA固定心のう膜と同等であり、さらに30週を経過すると体内で吸収除去されるため慢性期の感染巣の形成を防止できる利点がある。フィブリン糊の代替品については、硬化速度と接着性がフィブリン糊に相当するかやや良好なものを開発できたが、その成分としてゼラチンを含むため未だ完全合成物の代替品ではなく、現在も改良を進めている。ゼラチン膜が癒着防止膜として使用されているが、この代替品として乳酸-カプロラクトン共重合体スポンジフィルムを検討した。その癒着防止効果を鶏の屈曲腱障害モデルにより評価した。組織学的検討また機能評価でも有効性が示された。脊椎骨固定術でチタン製のケイジが使用され、さらに椎骨とケイジの癒合を促進するためにケイジの中に自家骨や他家骨片が詰められている。自家骨や他家骨片の代替品としてβ-リン酸カルシウムと組換え骨形成因子(rhBMP-2)との混合物を検討した。力学試験と組織学的に検討したところ、上記混合物は自家骨片以上に癒合を促進することが分かった。以上、ほぼ計画どおりに開発できたと考える。
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