配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
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研究概要 |
本研究ではp53をはじめとする種々の細胞周期・細胞死制御因子と膠芽腫細胞の放射線・化学療法感受性との関係を検討し,遺伝子治療にてそれを修飾して,より高い治療効果を達成することを目的としている.平成12年度は以下のような成果が得られた. 1)p53変異を有するlow grade astrocytomaは高い頻度で悪性化進展を起こすことを明らかにした(Oncogene,1999). 2)悪性glioma細胞株におけるp53,p16,p14^<ARF>,PTENの変異の有無を検討した.各遺伝子はそれぞれ高率に変異しており,同一細胞株において同時に変異していることが多いことが判明した(Brain Pathol,1999). 3)温度感受性変異p53(34℃でwild type,37℃でmutant type)を持つ膠芽腫細胞株を用いて,温度変化に伴うp53機能の変化による放射線感受性への影響を検討した.その結果,p53の機能回復によりG1期停止に依存して放射線感受性が高まるという結果が得られた(北海道医学雑誌,2000).同様に化学療法感受性について検討した結果,p53機能回復によるG1期停止がetoposide,paclitaxelにおけるG2M期関連アポトーシスを阻害し,感受性低下が起こることが判明した.さらに,野生型p53遺伝子導入によりetoposide感受性を低下させることも明らかとなった(北海道医学雑誌,2000). 4)遺伝子治療を目的としてAdenovirusによるp53遺伝子導入による殺細胞効果を検討し,膠芽腫での効果はCoxsackie/Adenovirus Receptor(CAR)の発現に依存することが判明した(J Neurosurg,2000).
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