研究課題/領域番号 |
10557165
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
滝川 正春 岡山大学, 歯学部, 教授 (20112063)
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研究分担者 |
井上 美穂 岡山大学, 歯学部, 教務員 (20271059)
服部 高子 岡山大学, 歯学部, 助手 (00228488)
中西 徹 岡山大学, 歯学部, 助教授 (30243463)
玉谷 卓也 日本たばこ産業KK医薬総合研究所, 医薬基礎研究所, 主席研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
1999年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1998年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | 血管新生 / 結合組織成長因子 / CTGF / 抗CTGF / 血管内皮細胞 / 転移 / 慢性関節リウマチ / 心筋梗塞 / 抗CTGF抗体 |
研究概要 |
1)合成ヒトCTGFペプチド断片およびリコンビナントCTGF(rCTGF)をウサギに免疫して、ポリクロナール特異抗体を調製した。また、多数のモノクローナル抗体を作製した。 2)鶏卵漿尿膜にrCTGFを投与するとbFGFに匹敵する著明な血管新生が見られた。また、マウス皮下に投与でも著明な血管新生がみられた。 3)rCTGFは血管内皮細胞の接着、増殖、遊走を促進し、また、管腔形成を誘導し、これらの作用はすべてポリクローナル抗CTGF抗体により阻害された。 4)血管内皮細胞にCTGF受容体が存在することをクロスリンク法により明らかにした。 5)ヌードマウス移植腫瘍の血管新生が強い順に乳癌細胞株(MDA231)、線維肉腫細胞株(HT1080)、扁平上皮癌細胞株(A431)を選びそのCTGF産生能をin vitroならびにin vivoで調べるとこの順序で強かった。一方、従来から血管新生因子として知られているVEGFやbFGFの産生能とこれらの腫瘍細胞の血管新生活性との間に相関はみられなかった。 6)鶏卵漿尿膜に上記の乳癌細胞を移植すると著明な血管新生がみられこの腫瘍による血管新生は抗CTGF抗体を同時投与することにより抑制された。 7)血管新生病の一つである慢性関節リウマチ患者の関節液中にCTGFが出現することを明らかにした。また、実験的心筋梗塞の修復期にCTGF遺伝子の発現が亢進することを見出した。 8)ヒト抗体産生トランスジェニックマウスを用いてヒト型CTGF抗体を作製しこの抗体がヌードマウス骨転移モデルで骨転移を阻害することを明らかにした。 以上の結果、CTGFが血管新生の全過程を促進する新規の血管新生因子であること、また、正常および病的な血管新生の両者に関与することが明らかになった。さらに、抗CTGF抗体がCTGF阻害剤として血管新生病の治療に応用できる可能性が示された。
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