研究概要 |
Tenidapがnifedipine感受性歯肉由来線維芽細胞の発育を抑制することをすでに報告している。本研究ではヒト歯肉由来線維芽細胞を用いてTenidapと類似の作用を有する薬物の検索を行い, diclofenac Na, indomethacin, mefenamic acidなどが細胞膜を通したCa^<2+>の流入の抑制, 細胞内pH([pH]i)の低下などを引き起こすことを認めた。これらの薬物を用い, ラットおよびイヌにおけるnifedipine歯肉肥厚に対する抑制効果(治療効果)を検討した。Tenidap(軟膏中濃度100μg/ml)はラットおよびイヌ歯肉盲嚢内局所投与においてnifejipine投与によって生じる歯肉肥厚で, 有意な仮性ポケットの深さの軽減, 上皮厚さの菲薄化を示し, 肉眼的にも歯肉肥厚の軽減が認められた。Diclofenac Na(軟膏中濃度100μg/ml)も同様にnifedipine歯肉肥厚の軽減を示した。これらのことは, 循環器系疾患でカルシウム拮抗薬の投与を持続しなければならない患者で歯肉肥厚を発症する場合にも, 同時にtenidapまたはdiclofenac Naの局所投与を併用することにより過剰な歯肉肥厚形成を抑制できることを示唆している。
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