研究課題/領域番号 |
10557178
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
保存治療系歯学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
冨士谷 盛興 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60190055)
|
研究分担者 |
広田 一男 (株)ジーシー研究所, 所長
新谷 英章 広島大学, 歯学部, 教授 (80034239)
占部 秀徳 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10231185)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
|
キーワード | Er:YAGレーザー / CO_2レーザー / 接着性レジン / 象牙質接着 / 接着機構 / 接着界面 / 形態学的研究 / 分析化学的研究 / CO2レーザー / 微小引張試験 / 接着耐久性 / 微細構造 / 接着強さ |
研究概要 |
Er:YAGレーザー及びCO_2レーザー処理象牙質面の性状変化とレジン系修復材料の接着性等について検討を行った。走査電子顕微鏡(SEM)及び原子間力顕微鏡観察によると、レーザー処理面にはスメア層は認められず、亀裂や層状構造物等の構造欠陥が発生していた。また、サーモグラフによると、いずれのレーザーも200℃以上の熱が発生していた。さらに、エネルギー分散型蛍光X線分析装置、電子線マイクロアナライザ、及び超微小硬度計による分析の結果、表層約30μmにおけるCaとPの濃度の減少並びに硬度の低下が認められた。これらの変化に伴ってコラーゲン線維の破壊された一層や熱による変性層が、マッソントリクロム染色による光学顕微鏡(LM)観察、透過電子顕微鏡(TEM)及びX線光電子分析装置を用いた観察により認められた。一方、レーザー処理面に市販の接着システムを応用し微小引張り試験法により検討したところ、初期接着強さや接着耐久性は有意に低下した。このことは、構造欠陥への引張り応力集中、変性層の発生や象牙質の物性低下によるレジンの浸透性阻害や樹脂含浸層等の機械的強度低下等によるものと考えられた。このような両レーザー処理象牙質面に対し現用の接着システムの適応を目指して、構造欠陥や変性層の除去法の検討を試みた。その結果、リン酸30秒処理後、次亜塩素酸ナトリウム90秒(Er:YAG)或いは120秒(CO_2)の処理により除去可能なことがLM、SEM及びTEM観察により判明した。また、当該処理面におけるレジンの接着性も回転切削面に対するそれとほぼ同程度まで回復した。以上より、レーザー処理象牙質面には回転切削面とは性状の異質な種々の変化が生じ、レジンの接着阻害因子となっており、またこれらを除去する歯面前処理法の確立により、現用のレジン系修復材料のレーザー処理象牙質面への適応が可能となった。
|