研究課題/領域番号 |
10557202
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
下野 正基 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085771)
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研究分担者 |
高田 隆 広島大学, 歯学部, 助教授 (10154783)
前田 健康 新潟大学, 歯学部, 教授 (40183941)
山田 了 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20103351)
菅谷 勉 北海道大学, 歯学部・付属病院, 講師 (10211301)
橋本 貞充 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10201708)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
1999年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1998年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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キーワード | 歯根膜 / 根面処理 / 再付着 / 結合組織性付着 / 上皮性付着 / 細胞増殖 / 細胞分化 / エナメル基質蛋白 |
研究概要 |
歯周治療後に結合組織性付着を獲得させる根面処理法の開発と臨床応用のため、歯根膜の細胞動態と根面処理との関連性の解明を目的として、以下の結果を得た。(1)歯根膜における細胞増殖と分化の機序(高田):連続酸素消化法によって層別に分画されたPDL細胞群間には増殖能や石灰化能に違いがあり、増殖能の高い細胞はPDL中央側に、石灰化能の高い細胞は歯根面近くに存在することが明らかとなった。歯根面に接して高い増殖能と石灰化能を兼ね備えた細胞群が存在し、結合組織性新付着形成に重要な役割を果していることが示唆された。(2)歯周組織の再生過程における神経の関与(前田):歯根膜ルフィニ神経終末に高親和性神経栄養因子受容体の一つであるTrkBが発現していることを免疫組織科学により明らかにするとともに、歯根膜ルフィニ神経終末に付随する終末シュワン細胞の配列が認められたことから、発生過程における終末シュワン細胞の重要性が示唆された。(3)歯根膜の再生と恒常性維持の機構(下野):歯根膜の幅を維持しその恒常性に関与すると考えられるマラッセ上皮遺残では、CK19が強く発現するとともに、CX43で構成されたギャップ結合がみられ、歯根膜の維持におけるマラッセ上皮遺残の重要性が示唆された。(4)上皮性付着と結合組織性付着との相関(橋本):ラット付着上皮および長い付着上皮における付着機構と接着蛋白の局在を免疫組織細胞科学的に検討した結果、付着上皮の内側基底板には、Integrinと共にリガンドであるLaminin-5が局在することが示唆され、上皮性付着に重要であると考えられた。(5)Growth factorによる歯周組織の再生(菅谷):脱灰した象牙質面にrhPDGF-BBとrhBMP-2を応用し、この上で歯根膜細胞を培養、付着した歯根膜細胞のALP活性と歯根膜細胞数を計測した結果、rhPDGF-BBを使用した群では細胞増殖が亢進するとともに、rhBMP-2を用いた群ではALP活性が高まった。(6)エナメル基質蛋白による結合組織付着の獲得(山田):実験的歯周炎における歯根面露出後のエナメル基質タンパクの根面塗布の影響を検討し、EMD群における根面の酸処理が象牙質とセメント質の付着を強固にすることが示された。(7)再付着における微小循環の関与(関口):フラップ手術における露出した象牙質面にクエン酸を応用し、結合組織性付着に及ぼす影響について超微細構造レベルで検索し、クエン酸で根面処理することにより、新生セメント質を伴う結合組織性付着が促進されることが示唆された。
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