配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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研究概要 |
近年注目されているさまざまな研究領域へ応用を目的に,有機キラルフッ素化合物を得るための新たな不斉フッ素化試薬の開発を企画した.不斉的にフッ素を導入する立体的要因と求電子的にフッ素を導入する電子的要因を精密化学的に検討し,その分子設計に基づいて新規光学活性不斉フッ素化試薬BNBT-F,SCBT-F,MNBT-Fを開発した. 1.BNBT-Fの合成:N-ピバロイル-o-トルエンスルホンアミドをブチルリチウムで閉環後水素化を施して6員環ベンゾスルタムとし,ニトロ化,塩化カンファースルホニルと縮合,両ジアステレオマーの分離,キラル補助基の除去を経て,光学活性なスルタムへと導いた.フッ化過クロリルでフッ素化し,BNBT-Fを合成した. 2.SCBT-Fの合成:オルトトルエンスルフォンアミドのBoc誘導体をブチルリチウムで処理した後,ケトンと反応させ,三級アルコールを得,メチルスルホン酸,あるいは Nal/TMSCl/MeCNで環化することによって,3,3-二置換とスピロー6員環ベンゾスルタムの新規合成法を確立した.(1)-メントンの場合,Nal/TMSCl/MeCNで閉環し,ジアステレオマーを分離した.最後にフッ素化することで,SCBT-Fを得た. 3.MNBT-Fの合成:N-tert-ブチルベンゾスルフォンアミドをブチルリチウムで処理し,エステルと縮合後,TMSCl/Nal/MeCNで閉環,ブロム化,20%KOHで環拡大した.得られたラセミ体スルタムをキラル補助基と縮合,両ジアステレオマーの分離,キラル補助基の除去を経て,光学活性なスルタムへと導いた.フッ化過クロリルでフッ素化し,MNBT-Fを合成した. 4.不斉フッ素化反応:BNBT-FとSCBT-Fは最高不斉収率70%eeで対応するa-フルオロケトンを与えた.MNBT-Fは高い反応性を示したが不斉収率が低かった.
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