配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
|
研究概要 |
ニシキギ科クロズル属生薬、雷公藤(Tripterygium wilfordii)は、中国でリウマチ性関節炎、慢性腎炎、全身性エリトマデス等に対する治療に臨床で用いられ著明な成果を上げている。本研究ではこの生薬、雷公藤の活性成分を明らかにすること、類縁植物の成分解明について研究を進めた。その結果(1)昆明山海棠から天然物としては非常に珍しいmonoterpeneとsesquiterpene及びalkaloidoを1分子中に含みしかも大環状が2カ所存在する化合物の構造を明らかにした。(2)雷公藤製剤(TII)の成分検索を行い,新規8種を含む28種の化学構造を明らかにした。(3)トルコでリウマチ治療に使用されている民間薬,Daphne oleoidesから新規4種の新規化合物を含む17種の化合物を単離した。(4)チベットの薬用植物Morinachinensisの成分研究を進め、全く新しい骨格を有するsesquineolignan(2種)とneolignan(11種)を単離した。(5)ウズベキスタン産キク科薬草Inula macrophyllaから新規で珍しいmonoterpeneとsesquiterpene2量体を数多く単離した。(6)同国産セリ科植物Ferula kuhisutanicaより4種の新規prenylated benzoic acid誘導体,7種の新規sesquiterpeneを単離した。(7)雷公藤製剤(TII)から得た化合物についてリウマチ発症と深い関わりがあるサイトカイン類,特にTNFa,IL-4の産生遊離阻害作用を調べた結果,tripterifordinと他1種に活性を認めた。またwilforic acid B,3-epikatonic acidはIL-2,-4,-8に対して産生遊離阻害作用を示した。(8)Ferula sumbulから単離したクマリン類に強い抗HIV活性を認めた。特にpabulenol及びheraclenolのTI値は1000以上及び870を示した。(9)またサイトカイン産生遊離阻害作用を調べた結果9種のクマリン誘導体に活性を認めた。(10)トルコのリウマチ治療薬草、Daphne oleoidesから単離した1,2-dehydrodaphnetinとdaphnetinはIL-1に強い活性を認めた。(11)クロズル毛状根作成に成功し、新規diterpeneを単離した。
|