研究課題/領域番号 |
10557210
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 大阪大学 (1999) 京都薬科大学 (1998) |
研究代表者 |
赤路 健一 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (60142296)
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研究分担者 |
赤路 健一 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (60142296)
木村 徹 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (70204980)
藤原 洋一 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (60199396)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 固相合成 / 分子内環化反応 / ヘック反応 / RGD構造 / フィブリノーゲン結合阻害 / Heck反応 / RGD誘導体 / コンビナトリアル合成 |
研究概要 |
本研究では固相担体上で効率的に進行する炭素-炭素結合形成反応を開発し、コンビナトリアル合成へと展開することを目的とした。固相担体上で行なうのに適した反応のタイプとしては、分子内環化反応を採用した。これは、固相担体に由来するpseudo dilution効果により、このタイプの分子内反応が高度希釈下での液相反応よりも固相担体上での方がはるかに効率的に進行すると予想できるためである。また、炭素-炭素結合形成反応としては、Heck反応を利用したオレフィン形成反応を採用した。以上の基本方針に従い、本研究では固相担体上での環状RGD誘導体類の効率的合成を行った。RGD構造(ArgーGly-Asp配列)は活性化された血小板上に現れるレセプターに対する最小認識構造であり、この構造を持った各種化合物をコンビナトリアル合成により調製することにより選択的アンタゴニストの探索が可能になる。 1.固相Heck反応による分子内環化反応の確立 まず、環化前駆体となる直鎖状RGD誘導体を固相担体上に構築した。この際、申請者が開発した新しい縮合試薬-CIP-を用いることにより、これまで構成パーツとして用いることができなかった非天然型アミノ酸を積極的に組み入れた。これによって、コンフォーメーションと活性との構造活性相関検討を行なえる新しいタイプのライブラリの構築が可能になった。 2.固相Heck反応のコンビナトリアル合成への展開 まず、固相ライブラリ化反応が実際に進行するかどうか、またその反応のモニターが可能であるかどうかについて検討する目的で比較的簡単な5成分からなるライブラリーの調製を行った。本合成により多成分からなる固相反応条件の最適化ならびに反応モニター方法を確立することができた。ついでこの条件を用いることにより、15成分からなるアルキルライブラリーおよび12成分からなる官能基ライブラリーの調製に成功した。 3.構造と活性の相関研究 合成した環状化合物を用いて、生物活性ならびに3次元立体構造の推定を行った。生物活性はフィブリノーゲン結合阻害アッセイにより評価し、立体構造は各種NMR測定で得られた情報を元にした分子動力学計算により推定した。その結果、今回合成した基本骨格が弱いながらもフィブリノーゲンに特異的な阻害活性を持っていること、活性に最も影響するカルボキシル基とグアニド基の空間相対距離がほぼ一定に保たれていることがわかった。
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