研究課題/領域番号 |
10557211
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 洋史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80206523)
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研究分担者 |
百瀬 敏光 東京大学, 医学部・附属病院・放射線科, 助手 (20219992)
石川 智久 フェイザー中央研究所, 主任研究員
加藤 将夫 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30251440)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
1999年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1998年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | 血液脳関門 / 血液脳脊髄液関門 / MRP / ABCトランスポーター / 有機アニオン / 脳毛細血管内皮細胞 / MRP1 / MRP5 / P-糖蛋白 / GS-Xポンプ |
研究概要 |
血液脳関門には、MDR1P-糖蛋白が発現され、基質の脳移行を妨げているが、近年、それ以外の排出輸送担体が発現され、特に有機アニオン系化合物の中枢移行を制限する可能性が示唆されてきている。本研究ではこの排出輸送系のcharacterizationを行った。血液脳関門のinvitroモデルとして、マウス脳毛細血管内皮細胞由来の培養細胞MBEC4を用いて検討を加えた。MBEC4monolaerに、monochloribimaneをpreloadし、細胞内で生成されるglutathione bimane(GS-B)の排出について検討を加えたところ、GS-Bは高親和性の機構により主として血液側に排出されることが示された。また、MBEC4細胞より膜ベシクルを調製して検討を進めたところ、GS-BのATP-依存性輸送が観察された。Western blotによりその実体がMRP1であることが確認され、またラット大脳皮質より単離された脳毛細血管内皮細胞にMRP1が発現されることが確認された。同様に、血液脳脊髄液関門に発現される排出輸送担体についても検討を加えた。MRP1の基質となる17b estradiol 17b-D-glucuronidcを脳室内投与したところ、この化合物は速やかに脳脊髄液より消失した。この消失は脈絡叢を介した経細胞輸送が関与するものと考えられる。脈絡叢上皮細胞に発現されるMRP1を定量化したところ、これまで最も高発現が報告されていた肺よりも4-5倍高い発現が観察された。これらの結果は、血液脳関門、血液脳脊髄液関門にMRPが発現され、有機アニオン系化合物の中枢への侵入を阻害していること、この排出輸送機能を阻害することにより脳への薬物移行性増大を図りうることを示している。
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