研究課題/領域番号 |
10557216
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 祐次 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (20127228)
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研究分担者 |
梶山 康一 アドモンサイエンス株式会社, 社長
富山 徹夫 名古屋大学, 理学研究科, 助手 (20155576)
吉田 卓也 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (00294116)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | 蛋白質-リガンド相互作用 / 熱分析 / 密度測定 / 蛋白質-蛋白質の相互作用 / 示差熱測定 / 偏比容 |
研究概要 |
蛋白質-蛋白質の相互作用について熱力学的観点からの知見を得るため、カルモジュリン(CaM)-カルデスモン(CaD)の系について超遠心沈降平衡法、SPR反応を用いた相互作用解析を行った。実験は遺伝子操作を行うことにより最初にカルデスモンフラグメントを作成し、更にはそのフラグメントに含まれる3つのトリプトファン(W)残基をアラニン(A)残基に変異させた変異体(W652A,W672A,W692A,及び全てのWを欠落させたもの)を作成し行った。この実験から従来報告されていた1:1の化学量論に加え、相互作用にはW652とW672が重要な役割を果たしており、それらW残基が協同的に働くことで10^<-7>程度の平衡定数の相互作用が実現していることが分かった。また同時にNMRとCDによる実験から、相互作用に伴いCaDに構造変化が起こっていることが分かった。つまりこれらの実験から、10^<-7>程度の平衡定数は、これは10kcalmol^<-1>の自由エネルギー変化に相当するが、相互作用と構造形成の2つの現象に対応したものであることが解明できた。またシトクロームcとその変異体を用いた熱測定及びNMR測定から、アミノ酸の側鎖同士の相互作用に伴う自由エネルギー変化を見積もることにも成功した。これらの研究結果は、現在進行している熱力学的情報に基づくRational Drug Designに有用な情報を与えるものであり、更に今後は相互作用と水分子との関係も解明を試みる。
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