研究課題/領域番号 |
10557224
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
村上 誠 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60276607)
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研究分担者 |
新原 智子 昭和大学, 薬学部, 助手 (60266161)
中谷 良人 昭和大学, 薬学部, 講師 (80266163)
矢ノ下 玲 昭和大学, 薬学部, 助手 (00224915)
知場 伸介 ジャパンエナジー(株), 研究員
桑田 浩 昭和大学, 薬学部, 助手 (80286864)
厚味 厳一 昭和大学, 薬学部, 助手 (70276608)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 肥満細胞 / サイトカイン / 脱顆粒反応 / プロテアーゼ / G蛋白 / 繊維芽細胞 / Ndr-1 / AVRL-2 / 分化誘導 / 非IgE型刺激 |
研究概要 |
肥満細胞の機能的成熟過程を明らかにするため、IL-3依存的に増殖するマウス骨髄由来未成熟肥満細胞(BMMC)を肥満細胞増殖因子であるSCF存在下、繊維芽細胞と数日間接触培養する系を確立した。この共培養によって、BMMCは形態的にCTMC様の細胞染色像を示すと同時に、CTMCの機能的指標であるG蛋白共役型塩基性アゴニスト(非IgE型刺激)に対する応答性を獲得した。この分化誘導過程は繊維芽細胞と肥満細胞の直接の接触により強く増強され、既知のサイトカインあるいは細胞接着因子以外の比較的不安定な繊維芽細胞由来因子が関与していることが明らかとなった。また、非IgE型刺激に対する応答性が細胞膜上の糖蛋白の発現に依存する可能性を示唆する結果を得た。 非IgE型刺激応答性の肥満細胞への分化誘導過程で発現が変化する遺伝子群を一括同定するため、cDNA subtraction法を用いて誘導型遺伝子群が高度に濃縮されたcDNA libraryを作製した。これを元に個々のクローンの配列決定を行い、現在までに約100個の既知または新規誘導型遺伝子を同定するに至っている。誘導型遺伝子群の約半数はマウス第14染色体上にコードされたセリンプロテアーゼ群で、中でもMMCP-4とGranzyme Bの誘導が際立っていた。これらプロテアーゼに次いで比較的高頻度で同定された遺伝子はNdr-1という名称でESTに登録されていた機能不明の細胞質蛋白であった。Ndr-1はBMMCと繊維芽細胞の共培養開始直後から強く誘導された。Ndr-1を強制発現した肥満細胞は脱顆粒反応が有意に亢進したことから、分泌応答の制御因子として機能しているか、または肥満細胞を脱顆粒しやすい表現型に分化させる因子として機能している可能性を予想している。また、AVR(Angiotensin Vasopression Receptor)と弱い相同性を示す新規遺伝子、AVRL-2の全長配列を決定した。本因子は全長約100kDaの蛋白であり、C末端のalternative splicingにより少なくとも4種のアイソフォームが同定された。個々のアイソフォームは、肥満細胞と繊維芽細胞の共培養過程で異なる発現誘導パターンを示した。現在、AVRL-2のそれぞれのアイソフォームを肥満細胞に過剰発現させ、その機能を検討している。
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