研究課題/領域番号 |
10558008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | 東京国立文化財研究所 |
研究代表者 |
増田 勝彦 東京国立文化財研究所, 修復技術部, 部長 (40099924)
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研究分担者 |
青木 睦 国文学研究資料館, 史料館, 助手 (00260000)
田良島 哲 文化庁, 文化財保護部・美術工芸課, 調査官
川野辺 渉 東京国立文化財研究所, 修復技術部・第2修復技術研究室, 室長 (00169749)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 屏風 / 下張り / 文書 / 剥離 / 温度 / 水蒸気 / 和紙 / 熱水 |
研究概要 |
下張り文書を剥離して歴史資料として取り扱うためには、歴史専門家による剥離作業を可能とする実際的な技術が求められている。 そこで、低温による澱粉糊の老化現象を利用した方法、水蒸気による加水と加温による澱粉糊の軟化を利用する方法を検討した。最後に、スプレーによる加水とそれに続く家庭用アイロンによる加熱を実験した。 老化技術は、一度乾燥した澱粉糊の含水率が十分に上がらないために効果が期待できなかった。蒸気発生器による方法は実際の屏風下地での実験で、実際的でない点が確認された。 スプレーによる加水と家庭アイロンによる加熱が、実際の剥離作業には最も良い成績を示す事を確認したので、剥離に関しては、当初計画を変更しする事とした。しかし、加熱による紙の劣化が懸念されていたため、加水加熱処置後の楮紙の紙力低下を測定した。熱湯95℃に楮紙を浸し、5分経過後に引き上げ、自然乾燥したサンプルの、引張力を測定した。その結果、コントロールと比較して、紙力低下が認められなかった。海外文献に於いても同様な実験結果が出ている。 本研究の結論としては、加水加熱法即ち、スプレーによる加水とアイロンその他による加熱を利用することが、現時点では最も有効な手段であることを確認した。 そこで、研究分担者を中心として、下張り紙を剥離し、文書を整理、記録する方法の検討を行いフォーマットを作成した。またその仕様に従って、江戸時代屏風の下張り文書の加水加熱法による剥離と整理法フォーマットに基づく剥離文書の整理を行った。
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