研究分担者 |
若松 加寿江 (財)震災予防協会, 研究員 (10132789)
村尾 修 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70292753)
目黒 公郎 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40222343)
福田 直三 復建調査設計(株), 技術研究所, 所長(研究職)
田山 聡 日本道路公団, 試験所, 主任(研究職)
YAMAZAKI Fumio Institute of Industrial Science, The University of Tokyo, Associate Professor (50220322)
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研究概要 |
地震計ネットワークからの地震動情報と地理情報システム上に準備したデータベースを用いて,地震発生直後に,1)高速道路の地震動分布を推定し通行規制を自動的に発令する,2)高速道路の被害推定を行い巡回点検箇所の順位づけを行う,の2つの機能を果たすシステムのプロトタイプ開発を行った.高速道路の通行規制は,沿線に配置された加速度型地震計による最大加速度値に基づいて行われているが,新型地震計が約20kmピッチに増設さり地震計の感度向上もあって,従来の通行止めの規制基準値はやや安全側過ぎると思われる.このような背景より,今年度は以下の項目で研究を行った. (1)地震計設置地点の地点特性の評価 高速道路に設置された地震計の記録と,科学技術庁の地震計や各自治体の震度計などの記録との比較を行い,距離減衰式も考慮して,地震計設置地点の揺れの特性を評価した.また検討対象地域について,国土数値情報の地盤データや道路ボーリングデータとの比較を行い,地震動分布推定の際の必要となる地点の揺れやすさ特性を高速道路に沿って決定した. (2)GISを用いた地震被害推定システムの試作 GISデータベースを構築した検討対象地域について,地震記録が得られたら,面的補間法を用いて高速道路に沿った地震動分布を推定し,被害推定式により高速道路構造物の被害箇所と被害程度を瞬時に推定するシステムを試作した.このシステムは汎用GISソフト上に構築されているため,プロトタイプではあるが拡張性に富み,地震発生直後の被害推定のみならず,日常の道路管理や想定地震に対する被害予測にも利用できる. (3)地震時発生時の通行規制基準の提案 高速道路の過去の地震被害と地震動強度指標の関係,最近進めている耐震補強の進捗状況,これまでの通行規制を行った場合の被害と規制による影響,地震計とインターチェンジとの位置関係などを総合的に検討して,高速道路の速度規制および通行止めの基準となる地震動強度指標とその基準値を提案した.
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