研究課題/領域番号 |
10558060
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
社会システム工学
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研究機関 | 富山商船高等専門学校 |
研究代表者 |
遠藤 真 富山商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (40149919)
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研究分担者 |
村山 義夫 (財)海上労働科学研究所, 研究第1部, 主査(研究職)
山崎 祐介 富山商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (90132597)
小林 弘明 東京商船大学, 海洋工学講座, 教授 (70016963)
横井 幸治 富山商船高等専門学校, 商船学科, 助手 (50280376)
中谷 俊彦 富山商船高等専門学校, 商船学科, 助教授 (30249776)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1998年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | ヒューマンエラー / ヒューマンファクター / 操船 / 支援システム / 船舶操縦性能 / 航行管制 / 航海 / 人間機械系 / ヒューマン・ファクター / 人間機械糸 / 支援 / 人間ー機械系 |
研究概要 |
平成10〜12年度の計画に沿って研究を行い、以下の内容の成果を得た。 1.Shore-based Pilotage Information Systemの開発 ヒューマンエラー抑止を目指した操船支援システムのハードウェア部であるShore-based Pilotage Information Systemを開発した。本システムは携帯/衛星電話ネットワーク、D/GPS、電子チャート、インターネット下のWWWとMailを要素として構成され、船舶間並びに船舶-陸上簡の協調運航の有効なツールとして開発された。特に、船舶側ターミナル(Navigation PAD)は、実用化一歩手前のプロトタイプと言える完成度となった。富山湾と東京湾におけるフィールドテストを経て、そのシステムとしての信頼性は実用化の域にあることが確認された。また、国内外の幾つかの学会で発表し、システムのユニークさと将来性について高い評価を得た。 2.出入港操船指針(ガイドライン)と出入港操船計画アルゴリズムの開発 出入港操船を支援する際、最も重要な課題は何を支援するかと妥当な支援内容かである。そこで、熟練操船者の出入港操船パターンのモデル化を試み、熟練者の操船・行動パターンを「出入港操船指針(ガイドライン)」としてまとめた。次に、一般的な操船と異なり、出入港操船において特に困難な操船課題となる操船計画に着目して調査研究を行い、出入港操船計画自動化アルゴリズムを開発した。本アルゴリズムは、通行すべきコースと速力を計画として提案する要素航路展開と具体的に行う操船法を提案する要素操船展開からなり、熟練操船者の操船計画をモデル化したものである。海図上の検証であるが、出入港操船計画自動化アルゴリズムの出力である操船計画が概ね妥当であるとの評価を熟練操船者のアンケートから得た。また、構想した操船支援サービスについて、海上交通法規の視点から検討を行い、英米国で実施されているリモートパイロットでは無く、海上情報提供サービスと判断され、法的責任が発生しないことも確認できた。 3.出入港操船計画等の提示システムの開発 前節で開発した操船計画自動化アルゴリズムに基づく操船計画をShore-based Pilotage Information Systemを介して提供するシステムを開発し、操船シミュレータによる検証実験を行っている。被験者から、主観的ではあるが、有用であるとの解答を得た。 4.Shore-based Pilotage Information Systemの総合的評価 開発したShore-based Pilotage Information Systemを操船支援効果とヒューマンエラー防止の視点から総合的に評価するための操船シミュレータ実験を実施した。現在もシミュレータ実験を実施している状況であり、定量的な結果を示すには至っていないが、支援システムの無い環境下の熟練操船者と支援システムからの支援を受けている学生の両者の操船軌跡を比較した所、明らかな支援効果の高さが確認された。 Shore-based Pilotage Information Systemを開発し、総合的な評価により、その有用性が確認され、本研究の目的を概略達成したものと考えている。
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