研究課題/領域番号 |
10558074
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
板垣 正文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30281786)
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研究分担者 |
成田 正邦 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (00001313)
榎戸 武揚 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10001992)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 再処理工程 / 地震動 / 溶液状核物質 / 臨界安全 / 不規則幾何形状 / 多重相反境界要素法 / 境界要素データ / プリプロセッサ / 規則幾何形状 |
研究概要 |
本研究の目的は、地震動等に起因して遭遇する溶液状核物質の複雑幾何形状をモデル化し、多重相反境界要素法に基づく臨界安全解析システムを完成させることにある。このシステムの主要部分では3次元2群中性子拡散方程式を解いて再処理プラントにおける液状核物質の臨界性を解析する。このような解析では地震動に起因する傾斜やスロッシング等によって生じる不規則幾何形状の問題に遭遇する。MRBEMは対象とする解析領域の内部ではなく境界のみを離散化すればよいから、このような不規則幾何形状の問題を解析するのに適している。臨界固有値も境界積分のみから計算されるので、領域をメッシュや有限要素に分割する必要は全くない。これに加えて、研究の初年度に導入した境界要素データを効率的に作成するためのプリプロセッサーの活用によって境界要素解析の自由度が一層高まった。本研究により、通常のHelmholtz型の中性子束分布モードのみならず、強吸収体領域で生じる修正Helmholtz型のモードも解析できるようにMRBEMの定式化が修正された。MRBEMの定式化において数学的に重要な役割を果たすのは2群中性子拡散方程式に対する零次および高次の行列型基本解である。テスト計算の結果、上記の定式化の修正の妥当性が立証され、適用性が増したことによってより複雑な多領域からなる臨界体系も解析できるようになった。以上の研究成果は既に境界要素法研究の国際会議BEM21(1999)およびBEM22(2000)において発表されている。さらに、スロッシング実験データを解析した結果より、パンケーキ型の幾何形状を持つ液状核物質がスロッシングを受ける場合には反応度が増加するという事実が明らかにされた。本研究の産物として、計算システムの全体が高度に最適化され、臨界安全の問題の有用な解析手段として完成の域に達した。
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