研究課題/領域番号 |
10558079
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今西 信嗣 京都大学, 工学研究科, 教授 (10027138)
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研究分担者 |
今井 誠 京都大学, 工学研究科, 助手 (60263117)
伊藤 秋男 京都大学, 工学研究科, 教授 (90243055)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 共鳴遷移放射 / 高輝度準単色X線源 / 偏光X線ビーム / マイクロビーム / ナローピーク / 相対論的電子 / 放出角度分布 / エネルギースペクトル / 高輝度X線源 / 単色X線 / 偏光 |
研究概要 |
本研究課題では、共鳴遷移放射を用いて100MeV程度の小型加速器による高輝度X線マイクロビームや偏光光源の実現をめざした。得られた成果は以下のように要約できる。 (1)遷移放射を円筒形および回転楕円形のミラーで集光することにより、輝度の増加のみならず、エネルギーの選別も可能になることが分かった。現在のミラー研磨技術で到達可能な表面粗さであれば、理想的な鏡面と同程度、つまり共鳴遷移放射の輝度を2桁以上増大させることが可能となった。 (2)これにより、薄膜材質がカプトン、薄膜厚さが12.5μm、薄膜枚数が8枚の多層薄膜から発生する遷移放射の輝度は、約1×10^<14>Photons/(s・mrad^2・mm^2・0.1%b.w.・mA)となり、パルスX線ビームとしての利用が有効である。 (3)多層薄膜と吸収端利用フィルターを組み合わせた薄膜傾斜による吸収端遷移放射法を考案検討し、エネルギー分解能が10〜50%程度の準単色X線ビームを生成する方法としてはとりわけ有効であることを見出した。 (4)多層薄膜ラジエーターから発生する遷移放射X線の一部を電子ビーム軸上に設置した矩形スリットにより取り出し、直線偏光X線ビームを生成する方法を考案した。エネルギースペクトル測定用のX線結晶分光器を簡易X線偏光計としても利用し、直線偏光度90%以上の遷移放射X線ビームが得られることを世界ではじめて明らかにした。 (5)結晶性薄膜ラジエーターを用い、電子入射面で発生した遷移放射X線のうち、反射結晶面に対するブラッグエネルギー近傍のエネルギーをもつX線は動力学的回折を受ける結果、ブラッグエネルギーが薄膜内共鳴の負の干渉領域内にある場合、通常の遷移放射は抑制され、動力学的回折効果を受けた遷移放射が数eVという非常にエネルギー幅の狭いピーク(ナローピーク)として観測されうることをシミュレーション計算によりはじめて明らかにした。
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