配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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研究概要 |
本研究は,大気中の二酸化炭素及び海水中に存在する全二酸化炭素(総炭酸)に関するオンサイト精密測定装置を開発し,(大気-海洋)間の二酸化炭素の交換速度,交換量の正確な計測を測定現場で迅速・正確に行なうことが目的である。それに必要な携帯型の精密測定装置の開発及び測定法を新たに開発した。これら装置及び方法を用いて,二酸化炭素フリーの超純水,アルカリ溶液の調製,海水中の総炭酸及びそれと接する大気中の二酸化炭素の精密測定等が可能になった。更に,平衡論的解析法を用いて海水中の二酸化炭素の溶存状態を明確にし,(大気-海洋)間の分配平衡・分配平衡速度を求めることが可能となった。主な成果は次の通りである。 1.FIA方式ガス拡散/吸光検出法に基づく大気中及び海水中の総炭酸定量用可搬型精密測定装置の開発:測定現場に持ち運び,その場計測が可能な可搬型フローインジェクション方式総炭酸測定装置を開発した。この装置は,新開発の小型高効率ガス拡散ユニットを内臓し,重さ約8kg,12Vバッテリー駆動方式である。海水等の水溶液試料は直接注入し,短時間(約3分)で測定できる。大気試料は,2mlの吸収液を入れたプラスチック製シリンジに採取し,吸収液を装置に注入し,測定する。接触している海洋,大気の濃度測定が同時に可能で,平衡・非平衡等のオンサイト情報を初めて求めることに成功した。2.高感度検出試薬の合成:二酸化炭素の高感度測定を可能とする検出試薬を合成した。アゾ系酸塩基指示薬誘導体を合成し,発光ダイオード(LED)の450nmでの高感度測定に使用できる試薬を発見した。本発色系を備えたLED/FIAでは,安定性,信頼性,省電力等オンサイト計測における大きなメリットが生れた。3.海水中の二酸化炭素の平衡反応解析,溶存種解明,全溶存種の濃度解析システム構築:海水中の平衡定数と総炭酸濃度を用いて,化学種濃度の予測を可能とした。これにより,(大気-海洋)間の二酸化炭素の分配平衡及び分配速度の解析に初めて成功した。
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