配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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研究概要 |
1.研究目的 直立護岸に囲まれた閉鎖性富栄養化水域で,潜在的に存在する生態系によって自律的に環境修復がなされることを促す構造物を開発する 2.実証プラントの効果検証 ※研究期間内に実証プラントを設置した (1)プラント前面のPCに生息する懸濁物食生物であるムラサキイガイによって,懸濁物と溶存態有機物はそれぞれ40%,30%除去された.(2)夏期にはプラント内で溶存酸素が低下したが,これはムラサキイガイの呼吸によるものであった.そこで,PCの量を減らし,ムラサキイガイの個体数を調整したところ,溶存酸素を保つことができた.(3)有効細菌の設置方法に問題が残された.また溶存酸素不足を招かないように適切に活用することが必要である.(4)PC内にはヨコエビ,ムラサキイガイなどの有効な生息場となった.(5)PCは海域に浸漬した時間とともに,強度は劣化することを把握することができた. 3.プラント内に生息する生物や生息を期待する生物の生態に関する実験 (1)懸濁物食生物ムラサキイガイの単位時間当たりの呼吸量,懸濁物摂取速度を明らかにすることができた.(2)ムラサキイガイの捕食生物としてはマヒトデ,イトマキヒトデが重要な種であることを示すことができた.(3)堆積物動物のマナマコは明確な空隙への選好性を示したことから,プラント内にマナマコの生息を促すためには,直径5cm程度の空隙を用意すると効果的であることがわかった.(4)堆積物の摂餌特性について検討したところ,珪藻を多く含む極表層の堆積物を摂餌していることが示すことができた.(5)プラント内を静穏的な環境にした場合には,海藻が繁茂し,富栄養化現象を促進することがわかった.しかしマナマコが生息すると,それらの生物の繁茂は抑制されることがわかった.
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