研究課題/領域番号 |
10558099
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高尾 敏文 (高尾 俊文) 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (10197048)
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研究分担者 |
田村 淳 日本電子株式会社技術本部, MS研究開発部, 研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
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キーワード | 磁場型質量分析計 / 生体分子 / コリジョンセル / イオン透過率 / 高エネルギー衝突活性化開裂 / プロダクトイオン / 構造解析 / 磁場型質量分析 |
研究概要 |
質量分析において高エネルギー衝突活性化開裂による生体分子の構造解析を効率よく行う方法を確立するために、新たに衝突活性化開裂室(コリジョンセル)の設計、試作を行った。この際、高いイオン透過率と高効率の衝突活性化開裂を実現する目的で、高電圧印加型コリジョンセル(耐圧10kV)と左右2枚からなる再加速用のレンズをイオン源ブロックに組み込み、従来のものと互換性があるよう設計した。合わせて、高電圧供給用密封端子、最大5kVまで印加可能な低リップル高圧電源、電場-磁場同時掃引用制御基盤を製作した。試作装置を既設の磁場型質量分析計に組み込み、0-5kVの範囲でコリジョンセルと加速レンズ(コリジョンセル電圧の50-90%)に電圧をかけ、標準試料を用いてイオン透過率について検討した。その結果、10kVで加速した1価のイオンに対してコリジョンセル電圧3kVという条件で、プロダクトイオンのエネルギー損失、イオン透過率という点で最もよい結果が得られた。この条件のもとで、種々のペプチドの測定を行なったところ、高エネルギー衝突活性化開裂で特徴的なフラグメンーションが観測された。フラグメンテーションの効率という点で、高速原子衝撃イオン化法で生成する一価イオンから行なうMS/MSが、エレクトロスプレーイオン化法で生成するニ価イオンからのものよりも良好な結果を与えた。特に、当初目的の前駆イオン質量の20%未満の低質量域でのイオン利得率が大幅に向上し、また全域にわたって質量分解能がコリジョンセル未装着の場合と比較して2-3倍改善した。本開発により、磁場型質量分析計によるMS/MS/MSの最大の問題であった低質量域のプロダクトイオンからのMS/MS/MSが実現でき、今後は、既設の磁場型タンデム質量分析装置に本試作装置を移植し、生体分子のMS/MS/MSによる構造解析に応用する。
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