研究課題/領域番号 |
10558103
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 教授 (50135597)
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研究分担者 |
北畠 千嗣 ユニチカ(株), 中央研究所, 部長
吉村 徹 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70182821)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 有機塩素化合物 / 有機フッ素化合物 / クロロプロピオン / フルオロ酢酸 / デハロゲナーゼ / クロロプロピオン酸 / DL-2-ハロ酸デハロゲナーゼ / 2-ハロ酸アミド / ^<18>O取り込み実験 / 質量分析 / 結晶構造解析 |
研究概要 |
難分解性の有機ハロゲン化合物の分解を触媒する酵素の開発を目的として研究を実施した。難分解性のフルオロ酢酸を分解する細菌を土壌から単離し、本菌からフルオロ酢酸の加水分解的脱ハロゲン反応を触媒する酵素、フルオロ酢酸デハロゲナーゼを単離し他。本酵素はクロロ酢酸やブロモ酢酸には作用したが、炭素鎖長が3以上の基質には作用しなかった。一方、2-クロロプロピオン酸を炭素源とする培地でスクリーニングを行い、湖水から分解菌を単離した。本菌から精製した酵素、DL-2-ハロ酸デハロゲナーゼは2-クロロプロピオン酸のD-体、L-体のいずれにも作用し、これらの加水分解的脱ハロゲン反応を触媒した。また、種々のハロ酢酸の他、2-クロロプロピオン酸アミドにも作用し、これらの加水分解的脱ハロゲン反応を触媒した。酵素全長をコードする遺伝子の全塩基配列を決定し、906塩基からなるOFRの存在を明らかにした。推定される遺伝子産物は301アミノ酸残基からなり、推定分子量は34,049で、精製酵素の電気泳動によって求めた分子量と良く一致した。さらに、DL-2-ハロ酸デハロゲナーゼの反応機構を解析した。H_2^8Oの中でのシングルターンオーバー酵素反応において、^<18>Oが生成物に取り込まれることを質量分析によって明らかにし、本酵素反応では溶媒の水分子が直接基質を求核攻撃することによって脱ハロゲン反応が進行することを示した。このことは、H_2^<18>O中でマルチプルターンオーバー酵素反応を行った際に、酵素分子に^<18>Oが取り込まれないことも確認された。
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