研究課題/領域番号 |
10558121
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
廣田 誠一 (2000) 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50218856)
北村 幸彦 (1998-1999) 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70028520)
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研究分担者 |
浅井 秀一 日本エスエルシー(株), 春野支店長(研究職)
森井 英一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10283772)
実宝 智子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70252658)
廣田 誠一 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50218856)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | c-kit遺伝子 / ミュータントラット / Ws / 幽門内圧 / 線維化 / 記憶 / Wsラット / 中枢神経系 / 海馬 / c-kit レセプター / マスト細胞欠損ラット / マスト細胞 / 突然変異ラット / 消化管ストローマ細胞腫 / レセプターチロシンキナーゼ / カハール介在細胞 / c-kit / 近交系ラット / 受容体チロシンキナーゼ |
研究概要 |
Ws/Wsラットは我々が発見した世界で最初のc-kit遺伝子座のミュータントラットである。c-kit遺伝子座はKITレセプターをコードしており、KITレセプターのリガンドはSCF(stem cell factor)である。SLCで兄妹交配を重ねたWs/Wsラットは一旦、感染により大部分を廃棄することになったが、最近再びSLCで兄妹交配を重ねたWs/Wsラットが増殖してきており、今後安定して供給できるものと思われる。 このWs/Wsラットを用いていくつかの研究を行い成果を挙げた。まず、Ws/Wsラットと+/+ラットの幽門輪の機能について調べた。ラットの幽門内圧を直接測定した結果、Ws/Wsラットでは+/+ラットに比べ収縮圧の持続しない棘波が観察され、これがWs/Wsラットでみられる胃内への胆汁逆流の原因となっていると考えられた。次に、肝および肺の線維化にマスト細胞がどのように関与しているのかについて、Ws/Wsラットを用いて調べた。マスト細胞欠損Ws/Wsラットでは+/+ラットよりも強い線維化を起こしたことから、マスト細胞が線維化組織内に多く浸潤しているのは、線維化の原因ではなく、結果であると考えられた。最後に、KITレセプターの機能異常と中枢神経系の異常の関係について検討した。Morris maze task法を用いてラットの記憶について検討したところ、Ws/Wsラットでは明らかに記憶障害がみられ、海馬のsliceを用いて電気生理的な実験を行うと、tetanic stimulationによるLTP(long-term potentiation)は明らかに低下していた。SCF-KITレセプターシステムは海馬における記憶の形成に重要な働きをしていることが示された。
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