配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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研究概要 |
1.ハイブリッド人工靭帯の生体由来膠原線維部は骨孔内において治癒過程を営み,骨孔壁に線維性結合織で固着する.3週の骨孔内固着力は自家骨付き移植材料に劣るが,6週では両移植材料間に差はない 2.直径約0.01mmの吸収性Polydioxanone(PD)糸から成るhybrid型靱帯を用いたACL再建においては,同等の初期強度をもつ直径0.6mmPD糸から成るそれを用いた場合よりも異物反応が強く,骨孔が拡大する傾向にあった.引っ張り試験ではその最大破断荷重は両靱帯間にいずれの時期においても有意差を認めなかった.PD繊維から成るhybrid型靭帯の骨孔内治癒には,糸の直径と量が大きな影響を与える. 3.吸収性Polyglactine(PG)繊維を用いたhybrid代用材料は,術後6週で5膝中4膝で骨孔から自家腱部分が引き抜かれ,破断様式は他群と有意差を認めた.引き抜き試験後の標本の肉眼的観察では,繊維形状をしたPG糸を観察することができなかった.PG繊維はhybrid代用材料の人工靭帯部分としては不適当である. 4.吸収性ポリ乳酸(PL)繊維およびPD繊維を用いたhybrid代用材料は,破断様式と最大破断荷重ともに非吸収性Polyester(PE)繊維を用いたそれと有意差はなかった.これらの吸収性繊維で作成した人工靭帯は6週間にわたって非吸収性PE製人工靭帯と同等の性能を有したことが期待された. 5.吸収性繊維の中ではPL繊維がPE糸に最も近い骨孔閉塞を示し,両糸の周囲では骨孔璧からの旺盛な骨新生が認められた. 6.以上から生体吸収性PL繊維と生体由来膠原線維とからなるハイブリッド人工靭帯が最も臨床的に有用と考えられた. 7.そこで臨床的に必要性の最も高い2種類のハイブリッド人工靭帯(前十字靭帯再建用,後十字靭帯再建用)のデザインを行い臨床応用に備えた.また臨床用手術方法を確立した.
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