研究課題/領域番号 |
10559004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橋本 毅彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90237941)
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研究分担者 |
公文 俊平 国際大学, グローバルコニュニケーションセンター, (研究職)センター長 (80012318)
岩崎 敬 (株)岩崎敬環境計画事務所, 主任研究員
村上 陽一郎 国際基督教大学, 文学部, 教授 (40012504)
糟谷 英一郎 山脇学園短期大学, 家政学部, 講師 (20224420)
林 春男 京都大学, 巨大災害研究センター, 教授 (20164949)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 安全 / 都市 / ネットワーク / 免疫 / 自己組織化(ダイナミックプログラミング) / 持続 / 知的生産 / 社会教育 / 復興 / 災害 / コミュニケーション / 都市安全学(都市計画論) / 持続環境論 / 第3次産業革命と都市(情報化都市論) / 都市爆発(メガロポリス論) / まちづくりと生涯学習(生涯学習論) / 創造的コミュニケーションシステム(マルチメディアネットワーク) / 都市コミュニティの自立(都市コミュニティ論) / 文化的多様性(都市文化論) |
研究概要 |
●自己組織化できない免疫不全を呈する機械時代の都市の死:近代都市を経済発展を実現する生産道具とすると、その目的は速度と規模の拡大である。その結果が巨大都市であり、これを機械時代の都市と呼ぶ。情報革命による脱産業化社会の中で、ダイナミックな変革ができない機械時代の都市は、物理的組織的機能不全や社会的放置などの死を迎えようとしている。ここで、姿を変え歴史的に持続する都市の対応構造に注目する必要がある、これは、環境に応じて対応を変えていく自己組織型の動的プログラムである免疫機能に学ぶところが多い。 東海村の原子力事故や雪印乳業の事故は、柔軟性に欠けた社会組織的な問題である。トルコ震災は新しい都市を生む知恵が問われている。Y2K危機は事前の対策が功を奏し大災害を回避した。欧州の家畜の疫病は経済問題でもあり、国際的プログラムの起動が鍵となる。過失や事故を災害に拡大する組織問題は、ダイナミズムに欠けた免疫不全と言える。地方人口の東京移動による消費マーケットの東京移転は、辛うじて東京の消費経済を維持している。都市圏への集中拡大は、コミュニティの希薄化、可処分時間の減少、コストの高騰など、変革をより難しくしている。知的生産の場としての都市デザインが必要な時期のこの状況こそ、都市の脳死であり日本の経済危機である。 ●評価・創造のシステムとしての智のネットワーク:未知の課題の発見や創造のためのヒントの確保等、知的活動を支えるコミュニケーション体系が、都市の免疫機能を創る。そこでは、情報選択の自由度の担保や、判断力を体得するための多層的なシステム構造が必要となる。ネットワーク概念は日々進化し、集中サーバーから分散コンピューティングへ移行している。NASAの宇宙生命の分析はその実践である。P2Pの概念は、今後の社会システムの新しい方向を示唆するものである。本研究では、公開ワークショップをインターネットを併用して開催した。都市の死という既成概念に収まらない課題に対し、5人の研究者による話題提供を行い、会場だけでなくインターネットを介して継続的な意見の交換を行った。双方向ポータルサイトの範囲での参加型の講座実験では、バーチャルな知的生産の場の可能性を予見させた。今後は技術的な検討と共に、コミュニティでの展開を試みる。
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