研究課題/領域番号 |
10559008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
蓮見 恵司 (蓮見 けい司) 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20208474)
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研究分担者 |
中村 和則 鳥居薬品(株), 研究所, 研究室長(研究者職)
北野 克和 東京農工大学, 農学部, 助手 (10302910)
千葉 一裕 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20227325)
内山 浩之 鳥居薬品(株), 研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 環状ペプチド / 線溶系 / プロトロンビン / 血液凝固系 / PHBP / prothrombin / 環状ペピチド / 組溶系 |
研究概要 |
プラクチンの作用機構:プラクチンアフィニティーカラムを用いて、プラクチン作用に関わる2種の血漿因子プロトロンビンとplasma hyaluronan binding protein (PHBP)を同定した。プラクチンは正の共同性を持ってプロトロンビンと結合し、プロトロンビンの立体構造を変化させ、プロトロンビンへの活性化を血液凝固が進行する条件では阻害し、正常な循環中と同様な条件では促進することを明らかにした。後者の活性により生じたトロンビンはプロウロキナーゼのArg^<156>-Phe^<157>間の切断により不活性二本鎖型ウロキナーゼに変換し、細胞上のシスタチン感受性ペプチダーゼがこの不活性分子のLys^<158>-Ile^<159>間を切断することにより活性型ウロキナーゼへ変換する。PHBPは細胞表面のベンザミジン感受性プロテアーゼを活性化し、これが更にプロウロキナーゼを活性化することを見出した。すなわち、プラクチンは、プロトロンビン経路およびPHBP経路で組織線溶の活性化をもたらす。 プラクチン誘導体の薬理評価:約80種のプラクチン誘導体の評価を行い以下の結果を得た。(1)環状ペンタペプチド構造以外に環状テトラペプチドにもプラクチンと同等あるいはそれ以上の活性がある。(2)活性の発現には、1つのArgあるいはLysと連続した疎水残基が必須。(3)完全な非ペプチド構造での活性発現は困難。(3)部分的非ペプチド構造の導入は活性を維持するが、調べた限りでは溶解性・吸収性の改善は見られない。プラクチンおよび有望な誘導体は、血液中での半減時間は30分以上であったが、経口ならびに腹腔内投与では効果を示さなかった。トロンビン誘発肺梗塞モデルで、これらの化合物は予想よりもはるかに低容量(0.1mg/kg,i.v.)で有意に生存率を増加させ、十分な薬理作用示し、これは、上述のプラクチン作用の2面性(線溶促進と凝固阻害)に起因すると考えられた。 誘導体作用に有用な有機合成法の開発:プラクチン誘導体の合成に利用可能な反応を検討し、電解酸化還元反応を利用したいくつかの新たな方法を開発した。 その他の線溶活性化物質・抗動脈硬化物質の探索・同定とその作用:プラクチン以外の線溶活性化物質・抗動脈硬化物質の探索の結果、数種の化合物を同定し、それらの作用を明らかにした。
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