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自由学芸・芸道・六芸に関する東西の伝統的意識の比較芸術学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610049
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 美学(含芸術諸学)
研究機関広島市立大学

研究代表者

齊藤 稔 (齋藤 稔)  広島市立大学, 国際学部, 教授 (50074307)

研究分担者 青木 孝夫  広島大学, 総合科学部, 助教授 (40192455)
欒 竹民  広島市立大学, 国際学部, 教授 (10264962)
幣原 映智  同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (00061581)
長田 年弘  広島大学, 総合科学部, 助教授 (10294472)
安西 信一  広島大学, 総合科学部, 助教授 (50232088)
原 正幸  広島大学, 総合科学部, 教授 (10092305)
金田 晋  広島大学, 総合科学部, 教授 (50034591)
研究期間 (年度) 1998 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード自由学芸 / 芸道 / 六芸 / 技芸 / 美的教養 / 真・善・美 / 伝統的意識 / 感覚論 / 文人画 / 書画同体
研究概要

本研究は東西の伝統的学芸の価値概念である西洋の自由学芸、日本の芸道、中国の六芸を対象とし、解釈学的に比較することを意図した比較芸術学的共同研究であり、広島市立大学をはじめ広島大学その他の大学の専門家の協力をえて推進した。
ヨーロッパにおいては古代から中世を経て近世・近代に至るまで7自由学芸(septem artes liberales)、文法、修辞学、弁証術、数学、幾何学、天文学、音楽はアルス(ars)として、技術・芸術と学問の不可分の領域と見なされ、哲学とともに人間性を探究するための、また教育と教養を培うための学芸であった。古代ローマ時代のキケロはそのような教育と教養が人間存在にとって必要不可欠な徳としての気品(dignitas)を生み出すことを強調し、ルネッサンスにおいてペトラルカは人間社会のためにそのような倫理の必要を説いた。これはまた造形芸術の美質であり目的でもあった。他方レオナルド・ダ・ヴィンチは絵画を自由学芸と同列に置き、絵画は学問であるとして「絵画学」(scienza della pittura)を主張した。というのは絵画は遠近法や解剖学や光学などを本質的に必要とするからである。
日本の芸道は民族的な美的意識であり、芸術の思念と実践を統合する価値概念であった。これはあらゆる美的な生活芸術を貫く芸と術の道としての芸術的営為であり、教化されるべき様式として把握された。また高い徳と美的に教育された人間存在の教養を形成するために求められた。そこでは制作や表現においても、享受や理解においても、つねに帰一すべき根源的自然、あるいは神的超越者を自覚して精進する。芸道は真・善・美を求める人にとって高徳の人間形成のための、また美的形成、美的教養として望まれる必須のアルス(学芸)であった。
中国ではさらに古くから六芸として、礼、楽、射、御、書、数の教養思想があり、基本的には人間として修得すべき教養や道徳であり、技芸や学芸であった。その修得は文学や哲学から詩や書・絵画の技術的習練にも結びついた。それは絵画では書画同体、十八画法などの奥義の技法をも含んでいる。
本共同研究はこれら3つの概念を比較学的に研究し、それらの類似と相違を明確にするように試みた。それによって3つの美的システムが学芸の領域に属するだけではなく、真・善・美の価値意識の普遍的理念を伴う人間生活全般に深く関わることを理解することができた。そしてこの総合研究の成果は学際的研究への貢献として、それら伝統的学芸とその解釈が美的真実への感性的理性的認識に到達するものであることを示しえたと考えている。

報告書

(4件)
  • 2000 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (29件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (29件)

  • [文献書誌] 齊藤稔: "西欧共同社会における人文学的学芸研究の基礎-12世紀人文主義の文化的要件-"東北芸術文化学会. 第5号. 3-23 (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 幣原映智: "ベートーヴェンとイギリス"ベートーヴェン全集 講談社. 6. 118-125 (1999)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 欒竹民: "「謳歌」の意味について"鎌倉時代語 研究同研究会. 第23輯. (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 青木孝夫: "観客の登場"『芸術学の百年』勁草書房. 62-79 (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 安西信一: "自然と自由の美的政治学-イングリッシュ・ガーデンの「オリジナリティ」-"東北芸術文化学会. 第5号. 35-49 (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 長田年弘: "パリスと異民族衣装"人間文化研究 広島大学総合科学部紀要III. 第9巻. 85-109 (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 安西信一: "イギリス風景式庭園の美学<開かれた庭>のパラドックス"東京大学出版会. 335 (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 齊藤稔: "人文学としてのアルス-西洋における人文主義的芸術の系譜"中央公論美術出版. 514 (1999)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Minoru Saito: "<ARTES> as Humanistic Disciplines-Genealogy of the Humanistic Arts and Sciences in Europe-"chuuou-bijyutsu-kouron-shuppan. 514 (1999)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 齋藤稔: "西欧共同社会における人文学的学芸研究の基礎-12世紀人文主義の文化的要件-"東北芸術文化学会. 第5号. 3-23 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 幣原映智: "ベートーヴェンとイギリス"ベートーヴェン全集 講談社. 6. 118-125 (1999)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 欒竹民: "「謳歌」の意味について"鎌倉時代語研究 同研究会. 第23輯. (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 青木孝夫: "観客の登場"『藝術学の百年』勁草書房. 62-79 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 安西信一: "自然と自由の美的政治学-イングリッシュ・ガーデンの「オリジナリティ」-"東北芸術文化学会. 第5号. 35-49 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 長田年弘: "パリスと異民族衣装"人間文化研究 広島大学総合科学部紀要III. 第9巻. 85-109 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 安西信一: "イギリス風景式庭園の美学〈開かれた庭〉のパラドックス"東京大学出版会. 335 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 齋藤稔: "イデアとミーメーシスの芸術表現-古代ローマ美術への適応-"広島市立大学国際学部ワーキングペーパー. 文化1号. 1-34 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 齋藤稔: "西洋文化におけるイデアの展相と芸術理論-その形而上観念から造形芸術の様式の転移に関する考察のために"広島市立大学国際学部紀要『国際研究』. 第5号. -25 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 青木孝夫: "二つの藝の道-藝道・藝術"日本の美学. 27. 114-127 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 長田年弘: "イメージの社会学-アテナイ陶器画におけるアマゾン図像とトラキア図像"『人間文化研究』(広島大学総合科学部紀要). 第7巻. 79-98 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 安西信一: "不協和な協和-ポープの庭園論における両義性の美学"『地域文化研究』(広島大学総合科学部紀要). 第24巻. 71-116 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 安西信一: "復楽園としてのイギリス-ハートリブ・サークルの庭園論における活動・改良・拡大主義(1690-60)"『欧米文化研究』(広島大学総合科学部紀要). 第5号. 1-20 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 齋藤稔: "人文学としてのアルス-西洋における人文主義的芸術の系譜"中央公論美術出版. 514 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 齋藤稔: "イデアとミーメーシスの芸術表現-古代ローマ美術への適応-" 広島市立大学国際学部ワーキングペーパー. 文化1号. 1-34 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 齋藤稔: "西洋文化におけるイデアの展相と芸術理論-その形而上的観念から造形芸術の様式への転移に関する考察のために" 広島市立大学国際学部紀要『国際研究』. 第5号. (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 長田年弘: "イメージの社会学-アテナイ陶器画におけるアマゾン図像とトラキア図像" 『人間文化研究』(広島大学総合科学部紀要). 第7号. 79-98 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 安西信一: "不協和な協和-ポープの庭園論における両義性の美学" 『地域文化研究』(広島大学総合科学部紀要). 第24巻. 71-116 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 安西信一: "復楽園としてのイギリス-ハートリブ・サークルの庭園論における活動・改良・拡大主義(1640-60)" 『欧米文化研究』(広島大学総合科学部紀要). 第5号. 1-20 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 齋藤稔: "人文学としてのアルス-西洋における人文主義的芸術の系譜" 中央公論美術出版, 514 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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