研究課題/領域番号 |
10610074
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
藤田 尚文 高知大学, 教育学部, 教授 (10165384)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 触覚 / 錯覚 / 凹曲面 / 凸曲面 / テクスチャー / 線図形 / よい連続 / 閉じた図形 |
研究概要 |
曲面の違いの影響について調べた。また、図形の向き(上向きか下向きか右向きか左向きか)の違い、比べる曲面(同じ曲面か異なる曲面か)の違い、図形の置く位置(右と左か上と下か)の違いの影響についても調べた。3次元の曲面では他の要因の影響を受けやすいため、曲面を2次元のものに限定して実験を行った。実験において被験者はアイマスクをして机の前に座り、提示された刺激図形を右手の人さし指で触れる。被験者には1個の標準図形と1個の比較図形が提示される。被験者の課題はそれらの提示された図形を比べてより高い図形(より深い図形)を選ぶかあるいは両者が同じかを判断することである。極限法により主観的等価値(PSE)を測定した。実験で用いた標準図形と比較図形には山曲面を持つ図形と谷曲面を持つ図形の2種類がある。山曲面と谷曲面は、一山または一谷のsin曲線であった。標準図形の曲面の幅は5.1cmの1種類;高さ(深さ)は1.0cmの1種類。比較図形の曲面の幅は3.4cmの1種類;高さ(深さ)は0.1cmから1.5cmまで0.1cm刻みで15種類。実験1〜4において以下の4点が影響を及ぼしていることが分かった。この4点は、図形の位置(右と左か上と下か)に関係なく影響を及ぼしていた。図形の位置については、標準図形の位置が右(上)の時と左(下)の時の数値には差がないことから、影響はないと考えられる。(1)幅5.1cmと幅3.4cmでは幅3.4cmを高く(深く)知覚し、幅5.1cmを低く(浅く)知覚する。(2)標準図形の向きを下向きにした時に高く(深く)知覚し、標準図形の向きを左向きにした時、低く(浅く)知覚する。(3)幅3.4cmの山曲面と谷曲面では山曲面を高く(深く)知覚し、谷曲面を低く(浅く)知覚する。(4)比べる曲面、比べる曲面の幅が異なる時、比較図形を高く(深く)知覚する。(山曲面と谷曲面、幅3.4cmと幅5.1cmを比べた時、比較図形を高く(深く)知覚する。) 比較図形(幅3.4cm)の山曲面、谷曲面の影響の原因については、山曲面の時は指が外側を通り、谷曲面の時は指が内側を通るためと思われる。標準図形(幅5.1cm)では影響がなかったことから、曲面の幅が広くなる程、影響力はなくなると推測される。 向きの影響については、前後の平地の高さをずれて知覚するためだと思われる。上、下、右向きの時は、後ろの平地を低く感じるために高く知覚し、左向きの時は、後ろの平地を高く感じるために低く知覚すると考えられる。図形の触りやすさ、触りにくさも影響していると思われる。
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