研究課題/領域番号 |
10610083
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
坂上 貴之 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90146720)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | 予測ゲーム課題 / 試間間隔 / 混合方略 / 並立VI VIスケジュール / 変化抵抗 / ヒト / ハト / ラット / 試行間間隔 / 予告刺激 / チキンのジレンマ / ゲーム / 選択行動 / 動的変容過程 / TFT方略 |
研究概要 |
選択行動の動的変容過程を見るのに適したゲーム事態での行動研究を進めるために、1.その方法論的・理論的位置づけ、2.ゲーム事態での行動の制御変数の同定、の2つを基本的なテーマに据えた。1については予測ゲーム課題(PGT)を考案し、この課題が様々な学習実験の手続き、例えば並立連鎖強化スケジュールや分化的結果を含む遅延見本合わせをその手続きの一部に含むことを示した。また行動分析で提案されてきた数理モデルを整理し、この事態でのシミュレーションに適したモデルの可能性を探った。2については、ラットとヒトを用いたPGTでの選択行動をみた。PGTとは、予告刺激、選択反応、通告刺激、遂行反応、強化子の各事象の継時的な出現からなる手続きで、予告/通告刺激の一致・不一致はゲームにおける環境側の、予告刺激と選択行動の一致・不一致は個体側の協調と裏切りとを表し、各々に応じた強化子呈示に必要とされる遂行反応量が利得行列の値を表す。「チキンのジレンマ」を利得行列とした実験では多くのラットに強い位置偏好が見られ、不適切な反応を減少するために、暗間隔後に試行開始に戻る方法や試行間間隔をあける方法、選択反応から通告刺激までの時間を短縮する方法などを試みたが大きな改善は見られなかった。しかし混方略を要するゲーム事態におけるヒトの選択行動がPGTで見た場合、予告刺激がない状態では被験者が相手の選択比率に追従する傾向がみられる一方で、刺激の導入によって予告刺激の信頼性に応じて被験者の予告刺激に対する追従率が変化することが観察された。動的変容過程の分析指標としてのハトの変化抵抗の研究においては、並列VI VIスケジュール下で先行給餌によって変化抵抗を測定した条件では強化率の高い選択肢で変化抵抗が高くなったが、消去による条件ではその差が明確でなかった。また反応比はベースライン時と先行給餌時とで大きな差がなかった。
|