研究課題/領域番号 |
10610093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
本郷 一夫 東北大学, 教育学部, 助教授 (30173652)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 幼児 / 仲間関係 / 友だち関係 / 相互性 / 集団保育場面 / 相互 |
研究概要 |
幼児期の仲間関係のうち、2者間あるいは3者以上の幼児間の親密な関係である「友だち関係」の成立と崩壊の実態を把握するとともに、「友だち関係」の成立と崩壊にかかわる要因を明らかにすることを目的として研究を行った。 研究1では、3〜5歳の幼児23名を対象として環境移行(保育所間の移行と保育所内での移行に分けられる)に伴う幼児の友だち関係の変化を縦断的に追跡した。その結果、(1)保育所間の移行という比較的大きな環境移行を集団で経験した場合、幼児の「友だち関係」は維持されにくく、新たな集団での「友だち関係」が改めて成立すること、(2)同一保育所内での生活においては5歳児を中心として「友だち関係」が維持されやすいこと、(3)女児に比べて男児間で「友だち関係」が維持されやすいことが明らかにされた。 研究2では、観察1年目に友だち関係が成立したと考えられる4人の幼児を対象として、友だち関係の深まりの過程と崩壊の過程を分析した。その結果、(1)相互作用の相対的頻度、エピソードの長さ、働きかけ内容が友だち関係の成立を知る指標だと考えられた。(2)さらに、他児に対する働きかけと他児からの働きかけの類似性も友だち関係成立の重要な指標と考えられた。子ども間の相互作用において相手に対する働きかけと相手からの働きかけが類似しているということは子ども間の同等性を表す指標であり、友だち関係の成立には必須の条件だと考えられる。これらの同等性、あるいは相対性は、具体的にはエピソードの開始率、終了率といった相互作用の形式的側面と働きかけ内容カテゴリーの相関の高さに代表されるような内容的側面の類似性から捉えることができると考えられた。
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