研究課題/領域番号 |
10610099
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 勧 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80134427)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | コントロール / 集団 / 文化 / 集団主義 / 尺度構成 |
研究概要 |
コントロール(統制)とは、自分の望むような結果をもたらすことと定義される。そして、コントロールの対象は自分自信であったり、自分の置かれた環境であったりする。これまでの欧米中心の研究では、自分自身に対するコントロールを二次的なコントロールとし、環境に対するコントロールを一次的コントロールと呼び、日本などの東アジアでは二次的なコントロールが支配的であり、欧米では一次的なコントロールが支配的であるとされてきた。こうしたステレオタイプ的な議論に対して、本研究では(1)東アジアでも一次的なコントロールはなされること、(2)ただし、個人的に行うコントロールではなく、集団的な統制が重視されること、(3)東アジアでのコントロール戦略は、他者との強調を重視していること、(4)集団統制志向は心理的な満足感にもつながりやすいこと、などを文献のレビューによって示した。この論文は、一部の修正の後、Handbook of Culture and Psychology(Matsumoto,D.ed.,Oxford University Press)に掲載される予定である。さらに、実験室実験によって、一人の時には自分の成績がよいという結果よりも、自分の成績が悪いという結果によって大きく影響される、というこれまでの実験結果が、友人と一緒にいる場合は弱められることを示した。この結果は、個人としては自分が環境をコントロールできるという認知は弱いが、友人と一緒だと同じことをしても自分たちが環境をコントロールできるという認知を持ちやすいことを示している。ただし、集団統制志向の個人差との関連は明確ではなかったので、この点に関しては今後の課題となる。
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