研究課題/領域番号 |
10610129
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
前原 武子 琉球大学, 教育学部, 教授 (60044939)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 祖父母 / 孫 / キンシップ / 祖父母機能 / 心理的幸福感 / 親密感 / 高齢者の心理的幸福 / 孫との関係 / 伝統的文化の伝達 / 大学生 |
研究概要 |
沖縄県にあっては、全国-離婚率が高いこともあって、祖父母が親代わりに孫を育てるケースが少なくない。その上、子どもの出生率が全国-高く、百歳以上の高齢者も全国-である。その中で、高齢者が祖父母としてどのような機能を果たしているのか明らかにすることは、子どもの発達および高齢者の心理的幸福感の問題を考察するさいに有益な情報を提供することができよう。 本研究は、祖父母および孫の両方から接近する研究計画によって以下の点を明らかにした。(1)孫が認知する祖父母機能として、安全基地、伝統文化伝承、人生観・死生観など、その多様性と文化的特殊性を明らかにした。(2)孫娘は、父方祖父母より母方祖母に対して親密感および祖父母機能を高く評価するのに対して、孫息子は、続柄による違いを示さなかった。(3)孫が長子である場合、父方祖父母に対する親密感の強いことが沖縄および宮崎で確認されたが、父親が長男である場合、沖縄だけで父方祖父母への強い親密感が確認された。(4)祖父母自身は、価値・伝統文化伝承、日常的・道具的関係、形式的関係などの祖父母機能を認知した。(5)祖父母は孫から、娯楽的、心理的、道具的サポートを得ていることが分かった。(6)祖父母の心理的幸福感は自他受容、精神的安定、人生展望を含む尺度が作成された。(7)祖父の心理的幸福感は、孫に対する日常的・道具的機能によって低下することが分かった。(8)孫との娯楽活動は祖父母の心理的幸福感を高める効果があることが明らかになった。 本研究は、祖父母と孫の関係を特徴づけ、祖父母の心理的幸福感に及ぼす影響を明らかにし、先行研究を超える新たな展開を得たことになる。
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