研究課題/領域番号 |
10610214
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 神戸学院大学 (1999-2000) 摂南大学 (1998) |
研究代表者 |
春日 雅司 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (90152660)
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研究分担者 |
竹安 栄子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (70131414)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 地域政治 / ジェンダー / 地域福祉 / 女性議員 / 女性地方議員 / 地域社会 |
研究概要 |
わが国における女性地方議員(都道府県並びに市区町村)の割合は年々増加し、現在6%台に達している。その特徴は、(1)特に90年代に入ってからの増加が著しい、(2)町村部よりも市区での伸びと割合の高さ、にある。本研究は、このような女性地方議員の意識と行動に関する質的調査を進めることによって、男性優位の政治構造の中で、彼女たちがいかに立候補を決意し、選挙にのぞみ、当選あるいは落選し、議会でどのような問題をとりあげ、活躍してきたのかを「生活史」研究の手法を用いてインタビューしまとめたものである。その成果は、『地域政治とジェンダー-特に「地域福祉」をめぐる女性議員と男性議員-』としてまとめた。この冊子では、まず1996年に行った高齢者介護に関する全国女性地方議員調査の結果を分析し、次に女性議員(元議員も含む)たちの生の声を紹介した。そこで、われわれは彼女たちの半数以上が「現在か過去に介護の経験をもっている」こと、またこれとは別に4割弱が「将来介護にあたる可能性がある」ことから、女性議員の9割近くが高齢者介護の問題を身近に経験しており、この経験が、ある場合には議会へ出る動機となり、また別の場合には議会活動に生かされていることを発見した。この生の声は、大量に行われるアンケート法のような調査では十分に分からない彼女たちの立候補から議員活動に至る悩み・苦しみ・喜びなどを生き生きと読者に伝えることができた。むろん、分析の部分で触れたように、どの自治体でも女性議員が登場したからといって直ちにその福祉政策に変化が見られるわけでもないし、またある程度の女性議員数がいる自治体でも、女性たちの置かれた立場は決して楽観できるものではない。しかしわれわれは、このような女性たちの声が地域政治におけるジェンダー構造を解明する重要な手がかりを提供してくれたと考えている。
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