研究課題/領域番号 |
10610304
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 九州芸術工科大学 |
研究代表者 |
松永 建 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (40040993)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 九州北部地域 / 神楽 / 神職神楽 / 音楽構成 / 舞楽様式 / 芸能保持組織 / 保持組織 / 芸能集団 |
研究概要 |
明治時代初期に神職による神楽執行が各種の政令等で禁じられる。そのため神楽は氏子に伝承されて存続することになるが、今日に至るまで多くの変貌をともなうことになった。一方、太平洋戦争後は憲法によって信教の自由が保証され、全国的に神楽の復活も盛んになるにつれて神職神楽も徐々に復活した。特に九州各地での復活が顕著である。 本研究は、九州北部地域の神楽に関する研究として、福岡県、長崎県を中心に調査したが、録画採集、聞き取り、資料採取など、神楽上演の変貌について各種の情報を得ることができた。 調査目標としては、(1)明治維新以後の神楽の歴史的状況の把握(2)舞踊や音楽の様式、構成の考察、および神楽の文言、詞章、神楽和歌等の比較検討(3)各神楽集団の相互交流の実態(4)上演形態、演目等の特徴や個性的特性、などである。 調査の頭初の目標は採集資料等の多さのために十分な整理が完了していないが、結論として次の各項目が挙げられる。(1)直面採物神楽と面神楽が歴史的にも神楽の主流となっているが、現在も古事記、日本書紀等に依る古代神話の「岩戸開き」「天孫降臨」などが主要演目である。(2)伝承系統が同じと考えられる神楽でも、歴史的、時間経過と共に個性化を示している。(3)演目的変革については独自の工夫、創意が認められる。(4)太平洋戦争以後には、神職神楽の復興が多く認められるが、これは明治時代以前の形態の復興を意味するものではない。氏子集団の崩壊など時代の制約を受けて大きな変革を余儀なくされている。(5)何処の神楽集団も、技能保持者の高年齢化と若い継承者不足が最大の課題となっている。
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