研究課題/領域番号 |
10610305
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
スチュアート ヘンリ (ヘンリ スチュアート) 昭和女子大学, 文学部, 教授 (50187788)
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研究分担者 |
齋藤 玲子 北海道立北方民族博物館, 学芸員
佐々木 亨 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (80292308)
齊藤 玲子 北海道立北方民族博物館, 学芸員 (20196025)
斎藤 玲子 北海道立北方民族博物館, 学芸員
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アイヌ民族 / 博物館 / 社会科教科書 / 観光 / イメージ / 植民地主義 / 北海道 / 先住民族 / 教育 |
研究概要 |
本年度の調査では、アイヌ民族をめぐる社会政治的状況に関連して、イメージの歴史的変遷、博物館での展示、「アイヌ観光」、そして小・中・高校学校社会科教科書の記述という4つの局面からを調べた。 イメージの歴史的変遷に関して、昭和戦前期においてアイヌの同化が「完成」に向かいつつあるなかで、アイヌをめぐるイメージの新たに展開する様相を探った。とくに、「北方」をめぐる言説と優生学の立場からのアイヌ研究の展開いずれも、アイヌをあらたな形で差異化する方向に作用するものであったことが判明した。 博物館での展示に関して、最近注目されている「博物館民族学」の登場した背景や必要牲、またその考え方の考察を通じて、アイヌ民族がどのように展示されているか、そして展示を見学する来館者の印象を調べた。具体的に、北海道開拓記念館(札幌市)のアイヌ文化展示において、どのような人が展示を見たか、展示の中で観覧者が新たに知ったことは何か、展示のメッセージがそれを制作した学芸員の意図通りに観覧者に伝わったかなどを知るために、展示の属性調査、観覧者調査を行なった。 「アイヌ観光」の研究では、「アイヌ文化」が、いかに北海道観光の要素となっていったかについて、旅行雑誌等をとおして検証するとともに、アイヌ文化の担い手がどのように観光に関わってきたかについても阿寒での現地調査を中心に考察した。 教科書の調査では、1999年度検定教科書の記述を選出しデータベース化して、そ嫌課を1995年に行なった同様のデータと比較考察を進めるために、資料整理を進めている。予備的な観察では、社会科教科書に登場するアイヌ民族に関する記述が充実しているが、新検定教科書では「伝統文化」が強調され、現状に関する記述が依然として不十分であると思われる。
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