研究課題/領域番号 |
10610322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中野 節子 金沢大学, 文学部, 助教授 (60019338)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ジェンダー / 「家」 / 「やさしさ」の文化大系 / 儒教 / 女性教育 / 仮名草子 / 伝統 / 日本型儒教 / 「やさしさ」の文化体系 / ジェンダー史 / 儒学 / 国学 / 只野真葛 / 女筆手本(にょひつてほん) / 往来物 |
研究概要 |
本研究は、1997年刊行した、拙書『考える女たち』をふまえ、近世前期のジェンダーをより一層明らかにすると共に、その後の中期にかけての展望をみるものであった。 『考える女たち』では、享保元年(1716)刊行の女子用往来『女大学宝箱』に含まれる、儒教精神に則ったといわれる「女大学」から、これまでの近世女性史が始められていることを批判した。つまり、近世が成立してから、ほぼ三分の一の部分が明らかにされないまま、近世全体の女性は儒教道徳で縛られていた、と通説化されていたのである。 本研究では、"儒教精神に則った"とされるものが、享保期に日本の社会の変化(基本的には庶民の「家」の成立が開始したこと)に基づくものであることを明らかにした。もちろん、儒教の影響がなかったという訳ではない。近世初期、直輸入されてきた当時中国の儒教書の解読、実践から始まったものが、既に近世の中期を迎えて日本社会の変化を受けたのだが、その点はかなり重要である。 他に、近世女性教育における二つの傾向、一つは日本型儒教体系であり、もう一つは、伝統的な「やさしさ」の文化体系(筆者の造語)、これらが庶民層ではほぼ矛盾なく行なわれ続けていたことを指摘した。 さらに、社会の変化を男女のジェンダーに焦点を当てて、日常生活を実例にとって研究している。 最後に展望も込めて、近世の「家」が確立してくる近世後半期について、男女のジェンダーを「家」存続問題にからんで研究した。
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