研究課題/領域番号 |
10610335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
小林 一岳 明星大学, 一般教育, 助教授 (20298061)
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研究分担者 |
桜井 彦 宮内庁, 書陵部図書課第二図書調査室, 研究職
蔵持 重裕 立教大学, 文学部, 教授 (70153369)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 山間村落 / 山野相論 / 交流 / 信仰 / 石造物 / 山村 / 霊場 / 荘園 |
研究概要 |
この調査・研究では、閉鎖的な地域と理解されている山間村落が、実は周辺村落や周辺地域と活発な交流関係にあることを明らかにすることを目的とした。主な対象地域は、滋賀県大津市葛川であり、滋賀県西部に位置し、建築用材や薪炭等の燃料用材の生産を主要産業とする地域である。歴史的な環境も残され、延暦寺支配下の明王院が中心に位置し、膨大な文献史料群として「明王院文書」や鎌倉時代に成立した絵図が残される。 中・近世の文献史料につては、明王院文書及び、明王院がある坊村の村有文書について行った。明王院文書については主に、帳簿類について調査した。その結果、中世から近世初頭のものとみられる現地地名がいくつか採取された。また村有文書については、山の生活や利用についての文書が調査でき、坊村と周辺村落の山利用をめぐる交流の姿を明らかにすることができた。 採取された山名の一部をもとに、聞き取り及び絵図の調査を行い、その結果中世に遡る集落址とみられる集落址が発見された。それとともに、明王院を中心とする葛川地域の信仰について検討した。 また、比良山を挟んで葛川の反対側にある、琵琶湖西岸の村々や、葛川の北部の朽木・船木についても調査を広げた。その結果、琵琶湖西岸の村々が葛川で燃料用材の採取を行っているとともに、山林の共同利用のためのいくつかのシステムが形成されていることが明らかになった。葛川で採取される燃料用材は、琵琶湖の湖上交通を利用して、琵琶湖東岸の村々まで流通していたのである。朽木や船木についても、安曇川いくつかの街道をめぐっての対立や、交流が存在したことが明らかになった。
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