研究課題/領域番号 |
10610341
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
本多 博之 安田女子大学, 文学部, 助教授 (30268669)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 毛利氏 / 厳島神社 / 貨幣 / 撰銭 / 南京銭 / 石高制 / 豊臣政権 / 朝鮮出兵(文禄の役) / 銭貨 / 厳島 / 北政所 / 大内氏 / 厳島神社五重塔 / 清料 / 清科 / 巌島 / 豊臣期 / 巌島役人 / 貫高制 / 銭 / 金銀貨 |
研究概要 |
本研究は、地域の視座から豊臣政権下の大名毛利氏の権力構造や領国の実態、そしてその史的展開の解明をめざしたものであり、以下の研究成果が得られた。まず、戦国・豊臣期における毛利氏の厳島支配の史的展開を、厳島「役人」や厳島町衆の動向に焦点をあてて検討し、文禄年間における毛利氏の領国支配の再編・強化の実態を明らかにしたほか、国指定重要文化財である厳島神社五重塔の現地調査を実施して初重柱銘の再検討により、塔再建の歴史的背景の解明と建立時期の推定を試み、その上で建立推定年の持つ意味について考察した。次に、中近世移行期の貨幣研究に関する蓄積が乏しいことに鑑み、当該期の毛利氏領国における貨幣の問題に本格的に取り組み、戦国期大内氏支配下の基準額「清料」の存在形態と実際の銭貨通用の実態を大名権力と在地勢力の対抗関係のなかで明らかにするとともに、この基準額「清料」が権力編成の基本原理である石高のなかに次第に包摂されていく過程を探ることで、銭貨の観点から石高制の成立について展望した。また、当該期の銭貨および金銀貨の貨幣流通と諸権力の対応の史的展開について、大内氏および毛利氏領国の事例を中心に、東アジア的規模で展開する国際交流、とりわけ貿易構造の変容を視野に置きながら考察した。さらに、毛利氏領国における南京銭や鍛(ちゃん)の流通・通用について分析することにより、中近世移行期の銭貨流通の史的展開と中央政権の銭貨統一に向けての諸政策について展望した。これら成果については逐次学術論文として発表した。なお、研究成果報告書は、豊臣政権が第一次朝鮮侵略戦争(文禄の役)時に、軍勢発進基地の肥前名護屋と京都・大坂とを結ぶ長距離通信輸送制度として開設した次夫・次馬・次飛脚・次船制について、関係史料を広範に蒐集して、この制度の開設目的と実際の運用状況、そして毛利・小早川氏ら地域大名らに与えた影響をまとめたものである。
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