研究課題/領域番号 |
10610344
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
石田 千尋 鶴見大学, 文学部, 教授 (00192485)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | オランダ船 / 輸入染織品 / 日蘭貿易 / 長崎 / 長崎貿易 |
研究概要 |
今回は、江戸時代後期19世紀前半、オランダ船が持ち渡った輸入品(特に染織品)に焦点を絞り、その実態(品目名・種類・数量・原産地等)を事例を通して解明し、国際的商品流通における日本の位置付けを試みるための基礎的実証研究を中心テーマに調査・研究をおこなった。今回発表した論文の要旨を記して研究成果の概要としたい。「文化・文政期における蘭船積荷物の基礎的研究-文化4年(1807)〜文政10(1827)の本方荷物-」および「幕末期における蘭船積荷物の基礎的研究-天保15年(1844)〜安政2年(1855)の本方荷物-」においては、それぞれ、文化4年〜文政10年と天保15年〜安政2年のオランダ側史料(送り状)と日本側史料(積荷目録)とを突き合わせて、彼我の用語を確定し、あわせて各品目の数量を一覧表で提示・検討した。次に、「長崎貿易における染織輸入-文政5年(1822)を中心として-」では、上記研究の年度の中から文政5年を事例として取り上げ、現物資料であるオランダ船が持ち渡った反物の裂を張り込んだ「切本帳」と、それをめぐる取引関係資料との照合を通して、実際にどのような染織品がどこで生産され日本に輸入されたのか、そしてそれが日本(長崎)においてどれくらいの価格で取引されていたのかを提示し、長崎貿易における貿易品(染織品)の輸入実態を解明した上で、当時の国際的商品流通の展開を考察した。その結果、当時のオランダ船の染織輸入は、19世紀前半のイギリスの東インド圏における勢力が拡大伸張しつつある時期の反映とみることができ、日本においては目に見えぬイギリスの影響のもとに17・18世紀とは違った国際的商品流通の展開をみせていたことがわかった。今後は、今回の研究成果をより発展的にすすめるべくより多くの事例を積み重ね、オランダ船積荷物の日本文化・社会・経済に与えた影響を国際的商品流通の中で調査・研究していくつもりである。
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