研究課題/領域番号 |
10610362
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
東洋史
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
松浦 章 関西大学, 文学部, 教授 (70121895)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 内陸 / 航運 / 大運河 / 江南 / 江北 / 蘇州 / 四川省 / 水運 / 内河 / 航船 / 川船 / 長江 / 重慶 / 渝関 / 帆船 |
研究概要 |
本研究は、平成10年度(1998年度)より平成12年度(2000年度)まで「清代における内河航運史の研究」の標題のもとに、17世紀から20世紀初頭にかけて繁栄した中国の清代における内陸河川の水運に関する研究を行った。中華帝国時代の歴史において最も商品流通が発達していたのは清代であった。しかし、その研究は十分に進展しているとは言い難い。その最大の理由は、従来の歴史研究が陸地を中心とした研究に着目していたためである。広大な中国の領域において商品流通を考える際、中国民衆の内陸河川を利用した水上航運手段による活動を無視することはできない。そこでこれらの問題を解決する一助として水運において活躍した清代の内河航行の船舶に着目し、船舶による水上航運の問題に関して史的研究を行った。研究成果を成立の順に述べると以下のようになる。第1年度に、清代江南において中心的商業地の一つであり、しかも水運に関しても重要な地であった蘇州を取り上げ、蘇州に集散する船舶に着目してその航運の実態を分析した。さらに、第2年度は、中国の水運の要である長江水系に着目し、とりわけ長江上流地域において水上航運が活発に行われていた四川省における水運に活躍した帆船による航運の問題を考察した。そして、第3年度の最終年度は、中国のもう1つの重要な水運の要である大運河における水運に関係した船舶、特に江南地域から首都北京に向けて輸送された政府物資とりわけ税糧輸送に関係した漕運による船舶の動向を明らかにし、また長江以南の江南水域での民衆による水運活動の状況に関して断片的資料から考察を行い、江南における水運の展開について論究した。最後に、20世紀初頭の中国において調査された東亜同文書院の『支那省別全誌』全18冊に見える民間で使用された帆船、特に民船名に注目して、それら600余隻の船名を抽出し、「中国民船名リスト」として作製し研究成果報告書に収録した。
|