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都市社会化と「近代的食生活」の形成―ドイツを中心として―

研究課題

研究課題/領域番号 10610386
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 西洋史
研究機関大阪国際女子大学

研究代表者

南 直人  大阪国際女子大学, 人間科学部, 助教授 (20181951)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード食生活史 / 生活水準 / 食品消費量 / 家計調査 / 食文化 / 日常生活史 / ドイツ社会史 / 労働者 / 食料消費量 / 食生活 / 栄養 / 近代化 / 健康
研究概要

この研究を通じて、19世紀後半から20世紀初頭にかけての、ドイツを中心としたヨーロッパの都市労働者層の食生活の実態を解明することができた。具体的には、同時代の官庁や労働組合が実施した家計調査や、その他種々の杜会調査を史料として、個別的な食品の消費量をできるだけ正確に把握しようとつとめた。その結果、ドイツについてはパン、麦粉、ジャガイモ、肉、バター、砂糖、ミルク、卵の8品目について平均の消費量を得ることができた。摂取カロリー量については、ほぼ2500kcalを越え、栄養学的には必要量は十分クリアしていることがわかった。しかし他方、社会的較差や家庭内の較差(成人男性が動物性食品を独占すること)など、より細かな数値については、今後の検討の課題として残っている。また、ドイツ国内の地域間較差も非常に大きいことがわかった。とくに、バイエルンなど南ドイツは、その他北・東・西部と比べ独特の食文化の伝統があり、ジャガイモの消費量が少なく、逆に麦粉やミルクの消費量が多いというような傾向がみられた。
またイギリスについても、同様の家計調査が同時代に数多く実施されており、それを分析したいくつかの研究をもとにして、平均的な労働者層の食生活の実態を把握しようとした。それによると、カロリー摂取量はドイツより少なく、2000kcalを少し越える程度であった。また、パンの消費量はほぼドイツの労働者と同じであるが、肉と砂糖についてはイギリス労働者のほうが多く、逆にジャガイモとミルクについてはドイツ労働者の方がずっと多い。そして特徴的なことは、イギリスの労働者では家計収入の多寡による食物摂取量の較差がドイツより大きい、すなわち、社会的較差が大きいことである。
以上のように、ドイツとイギリスについての都市労働者層の食生活の実態について、ある程度のことが解明できたが、今後はより緻密な分析をすることも必要だと思われる。

報告書

(3件)
  • 1999 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 南 直人: "ヨーロッパ食生活史と「健康」"季刊ヴェスタ(味の素食の文化センター). 32号. 21-27 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] MINAMI, Naoto: "European Diet History and the "Health Problem""Qurterly VESTA. 32. 21-27 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 南直人: "ヨーロッパ食生活史と「健康」"季刊ヴェスタ(味の素食の文化センター). 32号. 21-27 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 南 直人: "ヨーロッパの食生活史と「健康」-平均寿命の変遷からみた-" 季刊 ヴェスタ(VESTA). 32. 21-27 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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