研究課題/領域番号 |
10610403
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
花谷 浩 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (70172947)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 馬具 / 古墳の階層性 / 馬具副葬古墳 / 古墳 / 副葬品 / 古墳時代 / 階層性 / 古墳時代の馬具 |
研究概要 |
5〜7世紀の古墳には、副葬品に馬具を含むものが多い。馬具副葬古墳は全国で1200基をこえるが、それらの古墳を、古墳の規模内容と副葬馬具の種類によって分類整理し、内包される古墳の階層性を検討するのが本研究の目的である。 副葬された馬具の組合せには、(1)金銅装鞍を含む金銅装馬具(2)金銅装鞍を含まない金銅装馬具(3)辻金具などに金銅装をした馬具(4)金銅装馬具を含まないの大きくは4つのパターンがある。これらを6世紀から7世紀の古墳の立地や規模によってわけると、(1)は大型古墳、(2)は中型古墳や大型古墳の追葬、(3)は中型古墳や群集墳の主要な古墳、(4)は群集墳、が基本的には対応する。 しかし、その状況は地域によって違いがある。その例として出雲地域と東海地域を扱った。 出雲地域では、6世紀後半に90m前後の大型墳を頂点とした古墳規模の階層性が認められる。副葬馬具もこれにほぼ対応するが、中型墳以上の古墳が存在しない地域では、横穴墓で少なくとも(2)クラスの馬具を所有する例がある。また、中型墳で(1)クラスの馬具をもつ、あるいは群集墳の主要な古墳でも(2)クラスの馬具を持つ例が複数例存在する。 東海地域でも、(1)クラスの馬具を保有する横穴墓が存在したり、中型墳以上の規模の古墳がなかった地域で、(1)・(2)クラスの馬具をもっ小形墳が出現したりしている。古墳規模と副葬馬具とが形作る構造は、古墳時代後期を通じて確立され、不変であったのではなく、変化をともなうものであったのだろう。 その変化、あるいは特異な例が現れる時期は、群集墳出現期の6世紀中頃、またはその終末に近い7世紀初頃にややまとまる傾向がある。これは、欽明朝と推古朝に対応すると考えられ、律令国家へと向う前段階での国家体制整備の動きと連関する可能性が考えられる。
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