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近代日本の文学言説におけるジェンダー構成の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610436
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 国文学
研究機関日本大学

研究代表者

紅野 謙介  日本大学, 文理学部, 教授 (20195671)

研究分担者 藤森 清  日本大学, 文理学部, 教授 (20262826)
関 礼子  亜細亜大学, 経済学部, 教授 (00171330)
研究期間 (年度) 1998 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワードセクシュアリティ / 国民国家 / 文体 / メディア / ジェンダー / 近代文学 / 通俗小説 / 文化 / 文化主義
研究概要

本研究は、近代日本において女性/男性の差異と境界が文学言説においていかに構成されたかを探る動態的なジェンダー研究を目的としてスタートし、そこでわたしたちは共時的な観測をおこなうとともに通時的な観点からの考察を行ってきた。
最終年度の研究成果は以下のようになっている。藤森清は、1910年前後の文芸雑誌や文芸記事を精査するかたわら、男性作家が女性を表象する際のバイアス、また男性ジェンダーの構成のありようを探り、具体的には夏目漱石や森鴎外の小説を分析することを通して同性愛嫌悪と女性嫌悪の痕跡を見いだした。また関礼子は、1890年から1910年にかけての女性表現者の文体を調査するかたわら、草創期『青鞜』を細かく分析することを通して、擬古文から言文一致にいたる文体にあらわれた「ジェンダーの闘争」を摘出した。紅野謙介は、1920年前後の雑誌メディアを調査し、なかでも与謝野晶子の批評活動をとらえ、その批評にジェンダーの枠組みを越える可能性を発見するとともに、菊池寛とは異なる「文学の社会化」のコースを見いだした。また本研究の研究協力者である金井景子によって、教科書教材に見られるジェンダー偏差が指摘され、ジェンダー規範からの解放を目指す教育の方法論が提起された。
補助金の支出に際しては、ひきつづき図書資料の購入や各種図書館・文学館での貴重資料のコピーのデータ整理を行った。また数回にわたり、収集と整理の結果を報告する研究会を都内で開催した。研究会にはほかに常時10入程度の研究者の参加があった。
3年間の研究をへて、近代文学研究とジェンダー研究のクロスする領域がはっきりと見えてきた。これらの成果をふまえ、2001年5月には日本近代文学会春季大会において「ヘテロセクシズムの機構」と題されたシンポジウムが開催され、藤森清が司会を、金井景子が発表を担当し、ほかにも本研究会の参加メンバーが運営に関わった。その内容は岩波書店から刊行された「文学」2002年2月号に掲載されている。

報告書

(4件)
  • 2001 研究成果報告書概要
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (25件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (25件)

  • [文献書誌] 関 礼子: "第一次『明星』誌上の与謝野晶子-リテラシーとジェンダーの観点を中心に"日本近代文学. 65集. 14-29 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 藤森 清: "強制的異性愛体制下の青春へ"文学. 3巻1号. 120-133 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 関 礼子: "佐々木看護婦という存在-『瘋癲老人日記』におけるシャドウワークの領域"日本文学. 51巻2号. 72-76 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 関 礼子: "20世紀のベストセラーを読み解く 女性・読者・社会の100年(共著)"学藝書林. 302(271-300) (2001)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 紅野謙介: "越境する知5 文化の市場:交通する(共著)"東京大学出版会. 320(180-210) (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 紅野謙介: "岩波講座・近代日本の文化史 近代知の成立"岩波書店. 264(235-264) (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SEKI REIKO: "Yosano-Akiko on "Myozyo" the first ; from the Point of Views of Literacy Discource and Gender"Nihon-kindaibungaku (Modern Japanese Literature). Vol. 65. 14-29 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] FUJIMORI KIYOSHI: "The Youth on Heterogenias System"Bungaku(Literature). 3-1. 120-133 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SEKI REIKO: "Who is a Nurse named SASAKI? ; On "Futen-Roujin-nikki ""Nihon-bungaku (Japanese Literature). 51-2. 72-76 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SEKI REIKO: "Reading the Best-sellers of 20C"Gakugei-syorin. 271-300 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KONO KENSUKE: "The Bazzare of Cultures ; Intercourse"Tokyodaigaku-syuppankai. 180-210 (2001)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KONO KENSUKE: "Cultural Histry in Modern Japan3"Iwanami-syoten. 235-264 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 紅野謙介: "「戦後的思考」と記憶の修辞学"日本近代文学. 63集. 135-149 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 紅野謙介: "玄人-永井荷風『腕くらべ』-"国文学 解釈と教材の研究. 46卷3号. 26-28 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 藤森清: "欲望の模倣-武者小路実篤『友情』-"国文学 解釈と教材の研究. 46卷3号. 53-55 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 関礼子: "カルチュラル・スタディーズ『女性文学を学ぶ人のために』所収"世界思想社. 5(60-65) (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 関礼子: "尾崎紅葉「金色夜叉」-ある合評批評の読書空間「20世紀のベストセラーズを読み解く」(学芸書林)所収-"学芸書林. 10(25-35) (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 紅野謙介: "漱石、代作を斡旋する-徳田秋声・飯田青涼合作『女の夢』とオリジナリティの神話-"文学. 44巻4号. 1-16 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 紅野謙介: "手紙のポリティクス-戦争と近代郵便制度-"現代詩手帖. 42巻6号. 48-53 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 関 礼子: "テキスト・解釈共同体・教育者(ジェンダーと教育 所収)"世織書房. 26(267〜293) (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 紅野謙介: "運動体としての第二次『明星』-与謝野晶子の〈文化主義〉をめぐって-" 「国文学 解釈と教材の研究」. 44巻4号. 67-73 (1999.3)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 藤森清: "「都下女学校風聞記」を読む" 「東京人」. 130号. 80-87 (1998.7)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 関礼子: "彼女たちの"犬"物語(『幸田文の世界』所収)" 翰林書房, 20/251〜271 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 関礼子: "贈与と主体化-「大つごもり」論-(『論集樋口一葉』所収)" おうふう, 16/22〜38 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 藤森清: "近代家族観形成史のなかの「おとうと」(『幸田文の世界』所収)" 翰林書房, 8/312〜319 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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