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両大戦間におけるイギリス文化ならびにヨーロッパ文化の社会思想史的考察

研究課題

研究課題/領域番号 10610461
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 英語・英米文学
研究機関東京外国語大学

研究代表者

鈴木 聡  東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (80154516)

研究期間 (年度) 1998 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード記憶 / 文化 / 伝統 / モダニズム / 伝統主義 / ナショナリズム / 時間感覚 / 歴史意識 / 個人の主体性 / 20世紀文化 / 第一次世界大戦 / 第一次・第二次世界大戦 / 未来予測 / 知識人
研究概要

第一世界大戦の帰結は矛盾を孕むものであった。かつてあった伝統の喪失にともない自信や権威が失われたと同時に、すべてを新規蒔きなおしできるという希望も生まれたのである。しかしながら、はたして真に新しいものとはなにかという点になると、なにものにも確言し得ないのであった。
そのいっぽうで、プルーストの大長篇小説『失われた時を求めて』の発表以来、記憶という問題、いかにして確固たる過去を再構築するかという問題が、文学にとって中心的なテーマとなった。
簡単にいうならば、あらゆる文化的範疇において第一世界大戦後に生じた重要な動きは逆説的なものにほかならなかった。旧来の西洋文化の残滓を放棄しようとする者は、畢竟、伝統的価値以外のよりどころはあり得ないという事実に逢着せざるを得なかったのである。この運動は一般にアヴァンギャルドもしくはモダニズムと称されている。通常の理解によれば、この運動は伝統の放棄もしくは伝統にたいする異議申し立てと考えられている。
しかし、本研究において明らかにされたように、瓦解、解体として語られる多くの出来事は、いま少し個別化して考える必要ある。その際に要求される方法論の厳密性についても検討を加えなければならない。第一次世界大戦は、伝統主義的社会の崩壊をもたらしたと一義的にとらえるのではなく、逆に多様な形態の伝統主義(そのうちのいくつかはナショナリズムに直結することになる)を誕生させる土壌となった。このような視点を踏まえることで、20世紀文化にかんしじゅうらいいだかれていた観念そのものを抜本的に見なおす契機が得られるではないだろうか。

報告書

(4件)
  • 2000 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 鈴木聡: "終末のこちら側-進歩と反復、歴史と想像力"総合文化研究. 第2号. 13-22 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 鈴木聡: "狂気と歴史-イェイツと18世紀の出会い"高橋康也編『逸脱の系譜』(研究社出版). 504-16 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 鈴木聡: "テクスト化される記憶-イェイツと第一次世界大戦"東京外国語大学百周年記念論文集. 635-64 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 鈴木聡: "記憶、歴史、忘却-イェイツの場合"イェイツ研究. 第31号. 37-48 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SUZUKI, Akira: "Not Waiting for an Ending : Progress and Repetition, History and Imagination"Trans-Cultural Studies. 2. 13-22 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SUZUKI, Akira: "Madness and History : the Encounter between Yeats and the Eighteenth Century"TAKAHASHI, Yasunari (ed). Genealogy of Aberrations. 504-16 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SUZUKI, Akira: "Textual Configurations of Memory : Yeats and the First World War"Festschrift for a Centennial Anniversary of TUFS. 635-64 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SUZUKI, Akita: "Memory, History, and Oblivion in Yeats's Works"Yeats Studies. 31. 37-48 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 鈴木聡: "記憶、歴史、忘却--W.B.イェイツの場合"イェイツ研究. 第31号. 37-48 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 鈴木 聡: "テクスト化される記憶-イェイツと第一次世界大戦"東京外国語大学百周年記念論文集. 636-664 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 鈴木 聡: "終末のこちら側-反復と進歩、歴史と想像力" 総合文化研究. 2号(印刷). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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