研究課題/領域番号 |
10610520
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
西山 佑司 慶應義塾大学, 言語文化研究所, 教授 (90051747)
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研究分担者 |
熊本 千明 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (10153355)
小屋 逸樹 慶應義塾大学, 法学部, 助教授 (80234904)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 主題 / 指示 / コピュラ / 指定文 / 変項 / 属性名詞句 / 潜伏疑問文 / 提示 / コピュラ文 / 変項名詞句 / 提示文 / 名詞句 / 指示文 / 変項名詞 / 属性名詞 / 変化文 / 指示性 / 意味解釈 |
研究概要 |
コピュラ文の主語名詞句と述語名詞句の意味特徴について、指示性、非指示性の観点からさまざまな考察を行った。「変項名詞句」の概念は、文中で用いられた名詞句の指示性に関する曖昧性を説明するのに不可欠なものである。この概念を用いることにより、次のようなことが論証された。 (1)変項名詞句である、倒置指定文「AハBダ」における「A」は指示性を持つ名詞句ではなく、指定という特性からして、「Aハ」は主題を表わすものであるとは言えず、したがって、この構文は有題文であるとする通説は退けられねばならない(西山2000参照) (2)「話し手の知っている文法」という表現が、指示的、非指示的な二つの解釈を持ち、曖昧であるということを理解することが、文法理論の位置付けについての議論に大きく貢献する。(西山1998参照) (3)「AガBダ」の形を持つ「特におすすめなのがこのメニューです」のような文は、同定文、倒置指定文との類似が指摘されてきたが、Aの部分は特徴記述の名詞句ではなく、変項名詞句の特徴も示さない。英語の提示機能を持つ倒置構文との関連から、この種の文は、提示文であると考えることができる。(熊本2000参照) また、コピュラ文の主部、述部に現われる要素については、形式的な面だけではなく、文中における意味機能に注目した考察が必要であることを示し、以下のことを論証した。 (4)これまで、述部に現われ、叙述機能を持つのは、NPとAPであると言われてきたが、PPにも、同様の機能があることが、日本語、英語について認められる。(小屋1998、2000′参照) (5)語順のみを手がかりにしたコピュラ文の分析には問題があり、定名詞句、不定名詞句といった形式だけの区別では、名詞句の意味機能を明確に捉えることができない。(熊本1998参照)
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