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ギリシア悲劇における死の受容についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610535
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 文学一般(含文学論・比較文学)・西洋古典
研究機関名古屋大学

研究代表者

吉武 純夫  名古屋大学, 文学研究科, 助教授 (70254729)

研究期間 (年度) 1998 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード死 / タナトス / カロス / 戦死 / アンティゴネ / ギリシア悲劇 / カロス・タナトス / 美しい死 / 自殺 / 女性 / 死の受容 / ソポクレス / 婚礼 / 葬礼 / 葬礼競技
研究概要

ギリシア悲劇には人々が死を受容する様々な場面が描かれているが、その中に男女間での色々な差異が認められる.注目に値するのは、自発的な場合でもやむを得ぬ場合でも人物たちは死をよりよきものとして受容れようとするが、女性にはよき死を死ぬ機会が男性よりも閉ざされていると言うことである.それを象徴するのが悲劇『アンティゴネ』である.アンティゴネは「カロンなる死」(美しい死)を得ることができると信じ、それを目指して兄の埋葬を挙行したのだが、結局願いは叶わなかった.このことの背景にあるのは、「カロンなる死」を死ぬことはもともと女性である彼女には許されていない選択であった、という事実である.なぜなら、悲劇の時代までは、戦死以外の死が「カロンなる」と形容されることはなかったからである.「カロンなる死」とは、『イリアス』に語られた「カロンなる死体」を経て、テュルタイオスによって、「前線において戦いながら死ぬこと」と規定された.それ以外には、死が好ましい、望ましい、等と主観的・相対的によきものとされることはあっても、客観的・絶対的によきものとして主張されることは一切なかった.それが5世紀になると、『アンティゴネ』ほかの多くの悲劇が、人は戦死以外に「カロンなる死」を死ぬことができるのではないか、と問題を提起したと言える.しかし予想されるのは、いかなる悲劇もそれに肯定的な答を提供していない、ということであるが、それは今後一つ一つ検証していくべきことである.

報告書

(4件)
  • 2001 研究成果報告書概要
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (14件)

  • [文献書誌] 吉武 純夫: "アキレウスの賞品供与(パトロクロスのための葬礼競技における)"名古屋大学文学部研究論集. 133(文学45). 45-60 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 吉武 純夫: "アンティゴネの手(ニコル・ロローの仏語論文の翻訳)"現代思想. 27-9. 130-160 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 吉武 純夫: "カロス・タナトス、アンティゴネの目指したもの"西洋古典学研究. 50. 45-55 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 阿部 泰郎(編)(共著): ""文明"とは何か"野蛮"とは何か:新しい人文学の構築をめざして"名古屋大学文学研究科. 64 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] YOSHITAKE,Sumio: "Achilles' Bounty : the Funeral Games of Patroklos"THE JOURNAL OF LETTERS NAGOYA UNIVERSITY. 133(LITERATURE 45). 45-60 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] YOSHITAKE,Sumio: "The Hand of antigone (Japanese translation of N.Loraux's 'La main d'Antigone')"REVUE DE LA PENSEE D'AUJOURD'HUI. 27-9. 130-60 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] YOSHITAKE,Sumio: "Kalos thanatos"JOURNAL OF CLASSICAL STUDIES. 50. 45-55 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] YOSHITAKE,Sumio: "Barbarism within the polis : Society and Myth in Ancient Greece"Y. ABE AND M. OGAWA. 36-49 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 吉武純夫: "アンティゴネの手(N.Loraux,"La main d′Antigone"の翻訳)"現代思想. 27巻・9号. 130-160 (1999)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 吉武純夫: "アキレウスの賞品供与(パトロクロスのための葬礼競技における)"名古屋大学文学部研究論集. 131(文学45). 45-60 (1999)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 吉武純夫: "ポリスの中の野蛮-古代ギリシアの神話と社会-"文明とは何か、野蛮とは何か-新しい人文学の構築をめざして-. 36-49 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 吉武純夫: "アンティゴネの手(N.Loraux, 'la main d'Antigone'の翻訳)"現代思想. 27巻9号. 130-160 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 吉武純夫: "アキレウスの賞品供与(パトロクロスのための葬礼競技における)"名古屋大学文学部研究論集. 131(文学45). 45-60 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 吉武純夫: "アキレウスの賞品供与(パトロクロスのための葬礼競技における)" 『名古屋大学文学部研究論集』. 131(文学45)(印刷中). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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