研究課題/領域番号 |
10620020
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公法学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡村 忠生 京都大学, 法学研究科, 教授 (30183768)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 費用分担 / 無形資産 / 知的財産権 / 国際課税 / タックス・シェルター / 組織再編成 / 清算 / 取得 / 租税優遇 / 優遇措置 / 組織税制 / 組織再編 / 繰越損失 / 費用分担取決め / 租税回避 / 実質主義 / 事業目的 / 虚偽取引 / 移転価格税制 / コストシュアリング / 独立当事者間基準 |
研究概要 |
本研究は、無形資産の開発に対する国際課税の問題を検討した。特に、国際課税における費用分担取決めが、国際課税の枠組みにどのように影響を与えているかに着目した。そこでは、無形資産の価値や所在国の確定が極めて困難であることから、これを回避しながら、無形資産を巡る有効な国際課税の制度や枠組みを考えることができるかどうかを考察した。 研究の過程において、次の二つの問題に遭遇した。 第一は、無形資産の開発を通したタックス・シェルターである。知的財産権の形成には、各国において様々な租税優遇措置が設けられているが、そのような租税優遇による利益を第三者に移転することが、タックス・シェルターの基本的なメカニズムである。けれども、税制が無形資産開発への国際的参加を阻害することは好ましくないと思われる。したがって、この区分が重要であるが、本研究は、アメリカの判例やルーリングを対象として事案を集積するとともに、その対処(否認)のあり方を検討し、アメリカにおける実質主義、事業目的テスト、および、虚偽取引の法理の内容を、ある程度明らかにした。 第二は、無形資産の移転の主要な方法として用いられる法人組織再編である。組織再編税制はわが国において、本研究と並行して整備が進んだが、その利用または乱用が、無形資産に係る租税優遇利益の乱用的な拡大に繋がらないかどうかが問題となる。本研究は、その結びつきが乱用となる程度を具体的数値とし検討したか°、結論を示すにするには至らなかった。しかし、法人取得・清算税制の基礎的検討を行い、その乱用を、株主の観点から把握するべきことを明らかにした。
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