研究課題/領域番号 |
10620030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
遠藤 美光 千葉大学, 法経学部, 教授 (10152026)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 結合企業 / 子会社 / 再編成 / 親会社 / 株主保護 / 持株会社 / 企業結合 / 会社分割 / 特株会社 / 株主 / 株式交換 / 営業譲渡 |
研究概要 |
1.持株会社の解禁により、わが国では、今後より一層、結合企業形態が一般化することが予想される。それに対応して、結合企業法制の整備も進捗し、1999年10月には、商法改正により、株式交換制度等が導入され、また2000年には、会社分割制度も導入される予定である。しかし、結合企業法制を巡る検討課題は、なお少なくない。それらのうち、本研究では、結合企業における子会社の再編成に係る親会社株主の保護について検討した。 2.(1)結合企業形態では、事業への参入・撒退の手段として、子会社の売却・取得により、比較的容易に再編成を図ることが可能である。しかし、その際において、親会社の株主の保護を図るための法制は、必ずしも整備されておらず、検討を要する。本研究では、傘下子会社を譲渡する場合とグループ外の会社を取得する場合に分けて考察・検討した。 (2)まず、子会社株式の譲渡の場合には、一定規模以上の子会社の一定規模以上の株式譲渡において、親会社の株主総会決議事項とすることが考慮されるべきである。また、総会決議の要否にかかわらず、この場合には、親会社株主に一定の惰報開示の仕組みを設けることや株式買取請求権を保障することも検討すべきである。子会社の営業譲渡や子会社を消滅会社とするグループ外の会社との合併の場合も、基本的には同様に考えるべきである。 (3)グループ外の会社を取得しグループ内化する場合、とりわけ、その会社を傘下子会社が取得する場合には、親会社株主の保護が間題となる。一定規模以上の傘下子会社が、グループ外の会社の株式を取得し、支配権を獲得する場合には、親会社の株主総会の承認事項とすることを考慮すべきである。傘下子会社が営業を譲り受ける場合や吸収合併する場合も同様の検討が必要となるというべきであろう。
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