研究課題/領域番号 |
10620067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
谷 聖美 岡山大学, 法学部, 教授 (40127569)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 政党政治 / 五五年体制 / 政策過程 / 立法過程 / 社会党 / 労働政治 / 野党 / 政策決定 / 政治文化 / 日本社会党 / 一党優位性 / 55年体制 / 政党システム / 自民党政権 / アジェンダ |
研究概要 |
政党政治の眼目は、民主的な選挙において多数を占めた党派が政策活動や立法活動など政府のアウトプットをコントロールするという点にある。本研究はここに着目し、戦後日本の政党政治を政党間の政策競争という点から分析しようとするものである。そのさい、長く野党第一党であった社会党に分析の焦点を絞り、日本の政策政治における野党の競争力とその限界を浮き彫りにしようとした。 いうまでもなく、国会における社会党の議席は与党の半分程度でしかなかった。そこで、本研究の作業は、まず、社会党がそのような勢力にとどまってしまった理由が同党の政策活動、政策能力にあったのか否かを検討することから始まった。その結果、同党の伸び悩みはかなりの程度その政策戦略や選挙戦略上の誤りや活動の低調さに起因することが明らかにされた。すなわち、政党間の政策競争という点から見れば、社会党はその努力と工夫次第では実際よりももっと党勢を拡大できる可能性を持っていたのである。 ついで本研究が行った作業は、五五年体制の形成期における社会党の政策活動を具体的事例に沿って検討し、自民党との政策競争のなかで同党がどのような影響力を発揮し得たのかを検証することであった。これまでの日本政治研究では、政策決定はほとんどの場合与党と官僚機構のあいだでなされると考えられてきた。しかし、本研究の結果、少なくとも55年体制前半においては、社会党の政策活動は政府の政策や政治体制の骨格形成に具体的な影響を及ぼしていたことが明らかにされた。 こうして、本研究は日本においても政党間の政策競争が実質的な意味を持っていることを明らかにした。今後は、この成果をふまえて、さらに日本の政党政治に関する研究を進めていきたい。
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